Monthly archives: 6月 2017

ミンチン院長とアメリア!この対照的な姉妹は意外と苦労してた?

セーラの父が亡くなって、破産宣告されたミンチン院長は、セーラをベッキーと同じメイド扱いし、暗い薄汚い屋根裏部屋へ彼女を住まわせる、酷使するなど何とも酷い仕打ちをする冷酷な女性です。

それにお金に関しては相当な執着心があり、学院経営に関してはいつもピリピリしています。ですから学院経営の補助や評判を落とさないために、市長夫人には常にペコペコしています。

でもミンチン院長は当初からセーラに関しては、いい印象を持ってはいなかったことは確かです。初めて学院を訪れた時でも妹のアメリアに、「あの子は父親に甘やかされすぎた実に扱いにくい子です!」と話しています。それにセーラがフランス語が堪能なことに関してもミンチンは彼女に嫉妬心を抱いていました。

ですからミンチン院長にしてみれば、セーラは最初は大金持ちで学院の援助金を父から出してもらえる以外では決して学院には歓迎されていなかったことが浮き彫りにされています。

セーラがメイドになってからというもの、ミンチン院長はことごとく彼女に辛く当たるようになり、学院の評判を落としたくないために、セーラを追いだすことが出来ず常にイライラしていました。その反面、妹のアメリアはセーラを可哀想だと常に思い、手出しをすると姉のミンチン院長ににらまれるのが怖くて、何も口出し出来ませんでした。

それに何の根拠もなく、セーラをぶったり、食事を抜くなどの仕打ちは最早「児童虐待」に当たるシーンも何種類も見られます。特に物語の終盤でセーラとベッキーが隣りの家の魔法のご馳走を盗んできたものだと勝手に誤解し、セーラを屋根裏部屋から寒い馬小屋へ移すのは何とも怒りを覚えずにはいられません。

本当にミンチン院長は優しい心のひとかけらもありません。セーラを常に厄介者として見ているので、見ている私達も怒りとハラハラ感でいつも一杯でした。

で、この底意地悪いミンチン院長と姉に口出しが出来ない優しいアメリアのこの対照的な性格の姉妹が実は意外にも苦労してたってことを皆さんはご存知でしょうか?

アニメの中で、アメリアが腰を強打するけがをして、セーラが看病する場面があるのですが、そこでアメリアは自分たちの過去をセーラに打ち明けます。

自分たちも幼いころに両親を亡くし、姉のミンチンが親代わりとなって、妹の自分を育ててくれたことや、叔母の家に引き取られて慈善学校に通いながら働いてた事。どうも叔母の家ではセーラの様にミンチン院長は下働きをしていたようです。アニメの回想シーンで出てきます。

貧しかったので、住み込みで家庭教師の仕事もしていたとのこと。アメリアの話で2人姉妹の過去が何もかも明らかになります。

セーラはミンチン院長とアメリア姉妹も相当苦労してきたんだと驚きますが、でも過去に貧しい経験をしていたのなら、セーラのことだって理解出来るはずです。でもミンチン院長はセーラに対しては冷たい態度ばかりでした。

苦労に苦労して、妹のアメリアにはちゃんと学校を卒業させた優しいところのあるミンチン院長なのに…!!そして学院を経営できる様までにのし上がったのに…アメリアはセーラに話してました。「いつのまにか学院の経営のことでしか頭のない人になってしまったの。」

人間儲かるようになると、変わってしまうのでしょうか?何だか謎です。でもアメリアの話からするとミンチン院長はアメリアを育てて、母親変わり兼働き者の凄い苦労人だってことがよくわかりました。

小公女セーラ!父親が娘をロンドンの学校に入学させた理由とは?

小公女セーラは1年を通してハラハラドキドキして見た作品です。大金持ちの女の子が父の突然の死によって一気に貧しくなり学園のメイドとして、酷使される日々を強いられました。

この過酷な運命を背負ってきた主人公のセーラではありますが、もしロンドンへ来るようなことがなけれな彼女はインドでそのまま幸せに暮らせてたのではないでしょうか?

セーラの父・ラルフは娘をロンドンで本格的に勉強させて、教養を付けさせたい、と考えます。でもどうして親子離れて暮らしてまで娘をロンドンへ行かせる必要があるのでしょうか?

インドに住んでいても、学校はいくらでもあったはずです。セーラの時代というのは、実は親元を離れて寄宿舎へ行って勉強させる風習があった模様です。やはり寄宿舎に入る生徒は裕福な家庭育ちの子供ばかりで、語学、数学、行儀見習いなど上流階級を学ばせるために寄宿舎制度がありました。

とかくお金持ちの人々は晩さん会や舞踏会など大勢人の集まる所へ行く機会が多く、それに見合ったマナーや作法を子供のうちに学んでいくことが多かったのです。

ですからセーラの父・ラルフも母親を亡くしたセーラに教養と行儀作法を身に付けさせたい、それには自分の生まれ故郷のイギリス・ロンドンなら彼女は幸せになれるはずだと考えて、彼女をロンドンの寄宿舎に入学させることを思いつきます。

それには専属の弁護士が必要となり、ラルフはバローという名前の弁護士を雇って、セーラに相応しい寄宿舎を探します。それが「ミンチン女子学院」だったというわけです。

バロー弁護士を通じて、ミンチン女子学院に入学が決まったセーラの身の回り品はどんどん運び込まれて、ミンチン院長や妹のアメリアを驚かせます。大金持ちの子供なので特別生徒の扱いとして、セーラは入学を許されます。

でもラルフの選択は果たして正しかったのか?と言いますと決して正しくなかったように思います。セーラをロンドンの寄宿舎に入れたばかりに運命のいたずらか、ラルフは重病になって亡くなってしまい、破産宣告と債務処理に陥ってしまいました。その上、残されたセーラには更なる辛い人生が待ち構えていました。

特別生徒から一気に貧しい少女として、台所の下働きへ一変してしまいます。それこそ親子別々にならなかった方がセーラはず~っとインドで何不自由なく暮らせたはずです。

アニメの中ではセーラは行儀作法もダンスも完璧。それにフランス人の母の影響もあってか、フランス語は堪能です。セーラの母は彼女が4歳の時になくなっていますが、父が常にフランス語でセーラに話しかけてたらしく、そのお蔭で彼女はフランス語は誰にも負けないくらいにペラペラ話せます。

ミンチン女子学院ではフランス語の勉強に特に力を入れていましたが、セーラにはフランス語の授業は必要なかったかもしれませんね。

父・ラルフは結局命を落としたことで、愛娘を苦労のどん底に落としてしまいます。1人の人間がお金持ちから貧しさへと一気に人生が変わるなんて現代では考えられません。それに扱い方も豹変させるなんて本当に憤りを感じられずにはいられませんでした。

ペリーヌのその後!彼女はパンダボワヌ工場の後付きになったの?

両親を旅の途中で相次いで亡くしたペリーヌが、1人ぽっちになっても挫けずに父の故郷・マロクールに着いても、祖父のビルフランには孫だと名乗らず、オーレリィの偽名で通してきた間は何とも彼女には幸せが見えないのか?とさえ思いました。

ですが初雪の日にフィリップ弁護士の発言により、オーレリィはペリーヌの実名として、ついにビルフランの孫だと証明されたときは本当に感激しました。

13歳のペリーヌにようやく本当の幸せが来て、一気に彼女はお金持ちのお嬢様になりました。でもペリーヌは自分の境遇が変わっても以前とは全然変わることなくビルフランと一緒におじいさんと孫として幸福の絶頂へと輝いて、この物語は終わっています。

さて、ビルフランの経営するパンダボワヌ工場をペリーヌは跡継ぎになったのでしょうか?やはり息子エドモンはすでに他界してますし、一粒種のペリーヌが跡継ぎになるのは当たり前かもしれませんが…!!

でもペリーヌがまだオーレリィと偽名を名乗っていた時は、工場長のタルエルや甥のテオドールが跡継ぎを狙っていましたが、ペリーヌがビルフランの実の孫だと分かると、一気に跡継ぎの狙いを諦めて身を引いていました。

それだけにペリーヌには莫大な運命を背負うことが待ち受けていたんですね。勿論彼女はパンダボワヌ工場の後継ぎとなり、経営は以前よりももっとうまくなっていきました。

肝心のペリーヌの結婚相手は誰?って疑問に思われる方も多くありませんか?彼女は誰と結婚したのでしょうか?詳細はハッキリしませんが、ペリーヌが実はオーレリィと偽名を使っていることを最初に知っていたファブリではないか?との情報があります。

ファブリは何かとペリーヌの相談相手になったり、励ましたりして彼女のとても心強い存在だということはアニメの中でよく分かりました。ですが物語終了後のペリーヌや周囲の人達のその後の運命は分かりません。

只分かっているのはペリーヌは確かにパンダボワヌ工場の後継ぎになれたことしか分かってません。ではパンダボワヌ工場の運命がどのようになっていったのか?をお話していきましょう。

1900年前半、パンダボワヌ工場の評価がパリで高評価を得て、一気に仕事量が倍増し、その影響でマロクールの人口は昔より倍に増えました。やはり工場の仕事を求めて田舎であるマロクールに人がどっと押し寄せた説も考えられます。

当然ペリーヌもこの時代には大人の女性になっていますから、もしファブリと結婚し、子供がいたとすれば、夫婦で工場の経営を切り盛りしていた、とも考えられます。

ですから祖父のビルフランが社長をやっていたころよりも、パンダボワヌ工場は規模がもっと大きくなり、ペリーヌは事業に大成功をおさめたとも言えます。

1914年に第一次世界大戦が発生し、パンダボワヌ工場は危険にさらされたのでは?と思います。ですが織物工業の業界では、織物は戦争の特需品とされ、パンダボワヌ工場は戦争のお蔭で大儲けできたとのことです。

いわばこの時代がペリーヌ社長の一番の絶頂期だったのです。ですが第一次世界大戦が終わるとパンダボワヌ工場の生産量は一気に減っていき、潰れることはなくても事業の縮小は大なり小なりあった模様です。

そして第二次世界大戦が発生。パンダボワヌ工場の作業の需要はどんどん減るばかりで、高齢になったペリーヌも社長の座を降りてしまいました。その後とうとうパンダボワヌ工場はペリーヌの時代で幕と閉じた、ということです。

やはり一度は幸せに輝いたペリーヌでしたが、戦争によってまた苦労を強いられいたことになります。

祖父のビルフランは本当に冷たい人?でも隠された優しい面が見える

ペリーヌの母・マリは遺言として「人に愛されるにはまず自分が人を愛しなさい。」と娘に託し、パリで亡くなります。この母の遺言は何ともペリーヌに取って素晴らしいものでした。

自分の両親が祖父の反対を押し切って結婚していたこと、そして祖父は孫を歓迎してくれないことなど、ペリーヌはショックでした。でも残されたたった1人の身内の祖父にはどうしても愛されたい…ペリーヌはそう胸に秘めてついに長旅を終えて父の故郷マロクール村へ着きます。

ですがお屋敷の門前でペリーヌは馬車で出かける祖父の顔を初めてみます。何とも冷たい横顔で、ペリーヌは孫だと名乗る勇気をなくし、偽名オーレリィとして祖父の経営する工場で働きながら様子を見ることにしました。

本当に祖父のビルフランは冷たい人なのか?でもアニメの中では冷たいイメージながらも優しい面が少なからず見えています。

まず、ペリーヌの父・エドモンの乳母をやっていたフランソワーズと孫のロザリーにはビルフランは優しい態度で接しています。ロザリーの話では、自分が生まれた時に名前を付けてくれたのがビルフランだとペリーヌに話しています。それに「私には優しくしてくれるの!私がフランソワーズおばあちゃんの孫だからよ!」

それにロザリーが工場でけがをした時もビルフランは「早く病院へ行って手当てをしなさい。」と暖かい声をかけています。根っからの冷徹人間でもないことが分かります。

ですが息子・エドモンがビルフランの思い通りの結婚をしなかったため、ペリーヌの母・マリに対しては会ってもいないのに「息子をたぶらかした悪い女」と激しい憎しみを抱いており、そのことを聞いたペリーヌは激しいショックを受けてしまいます。

でもペリーヌはオーレリィとして、ビルフランの忠実な秘書として仕事をこなしていきます。またビルフランも孫だと知らないまま、オーレリィとして確実に彼女に信頼を深くしていきます。徐々に優しい人へと変化をしていきます。

それはペリーヌが母の遺言を忘れずに「私はおじいさまから愛されたい、一番欲しいのはおじいさまの心からの愛情」と自分に言い聞かせ、孫だと名乗れない辛さがあっても、愛情もってビルフランと接していったからです。

オーレリィはビルフランに心からの愛情を注ぎ、またこの老紳士も愛することをどんどん知っていくようになります。

仕事に関しては厳しいビルフランですが、ペリーヌの意見によりどんどん工場経営や村の人達の暮らしぶりに次第に興味を持ち始め、どうしたら今よりもっと経営がうまくいくのか、そして村人達の暮らしを豊かにさせることなど考えるようになりました。

よく考えてみますとビルフランは大金持ちであっても、実は孤独な老紳士の1人にしか過ぎないのです。妻や息子には先立たれ、甥のテオドールや工場長のタルエルはどうも信用できないなど、いささか人を信じることに関しては慎重になっている模様です。

自分の思い通りにならないものは「裏切者!」と罵声を浴びせる怖いところもありますが、寂しくて孤独だからこそ人間は偏屈になることがあるのです…! つまり人生の先行きに強い不安を感じると優しさを忘れてしまいがちになります。

人間はお互いに愛されていることが確信されるともの凄く信頼出来る関係へと発展します。

ですからペリーヌの出現により、ビルフランは今までは冷たかった面があったにせよ、彼女の愛情のお蔭で変わることが出来たのです。人間はまず愛することを覚えなくてはなりません。まさしくペリーヌの母・マリの遺言は世界名作劇場での名セリフと言えます。

学校に通っていないペリーヌ!その割に頭がいいのは何故なのか?

アニメの中でもペリーヌは学校に最初から通ったことがないことについて触れられています。母・マリとの旅の途中で「私、お医者様になりたいわ。」と話します。マリは「お医者様になるには学校に行かないとね…!」でもペリーヌは前向きに「おじいさまのところについたら、学校に行かせてもらえるわね。だっておじいさまはお金持ちなんだから。」と。まだ見ぬ祖父の顔が想像できないまま、ペリーヌは祖父が優しい人だと信じ切っているのが分かります。

ですが学校に通っていないペリーヌではありますが、彼女は結構頭がいいんですよね。きっとインドで暮らしていた時に両親から色々教えてもらっていたのでしょう。

特にマロクール村での工場でのイギリス人の技師たちには、ペラペラと英語を話して、周囲を驚かせます。ペリーヌ曰く「母がイギリス人だったので自然に覚えてしまったのです。」なるほど、そういえば母・マリはイギリス人とインド人のハーフですから、幼いころからペリーヌは母の話す英語を聞いて、勉強しなくても覚えてしまったことがハッキリと分かります。

言葉というものは本当に自然に覚えて行くのがよくわかります。例えば赤ちゃんは出生時はすぐにはしゃべれません。泣きながらメッセージを送ります。でも母親が「あ~、よしよし眠いのね」もしくは「お腹すいたのね。」と抱き上げると不思議に泣き止みます。

あれって人間の本能だと思いませんか?だって言葉が理解できないはずの赤ちゃんは、さっきまで泣いててもちゃんと泣き止むんです。実に不思議ですよね。

そして1歳、2歳と一人歩き出来るようになり、3歳になるころには殆どの子供が日常的会話が出来るようになります。結局身近な両親の話す言葉を自然に覚えてしまった!これは誰も教育することなく、子供自身が自分の耳で聞いて自然に覚えたことなのです。ですからペリーヌだって同じことです。母親が常に英語を話していれば、特に教えなくてもどんどん覚えて行ってしまうのです。

それだけ子供の脳は軟らかく、覚えたことはすぐに何でも吸収してしまう力があります。

それにペリーヌは池のほとりの小さな小屋で、1人暮らしをするなどしていましたが、13歳の少女の割にはしっかりとした生活設計をたてていました。トロッコ押しの少ない給料でいかに上手にやりくりするか?手作り出来るものは何でも作り、お金を使わずに食べられるものは何でも工夫して料理して食べるなど、本当にペリーヌはやりくり上手な少女です。

インドで暮らしていた時に両親からしっかり色々教育されていたのでしょう。でなければあんなに自分で自分のことなど出来るはずがありません。

ペリーヌは父がフランス人、母がイギリス人のハーフの娘です。ですからフランス語と英語が堪能であってもおかしくありません。2か国語が話せるなんて素晴らしい能力を持っていますね!

まだ孫だともしらずにいたビルフランが「利口な娘」と誉めるのも無理はありません。現代式で言えば、ペリーヌは語学に関してはかなりスキルの高い少女だったと言えます。学校に通っていなくても頭がいい少女だとつくづく納得出来ます!

ペリーヌ物語!インドに住んでいた時から家族全員貧しかったのか?

ペリーヌは13歳の女の子で、両親と3人でインドで暮らしていました。でも本来はフランスの父方の祖父のところへ旅に出る物語ですが、どうしてペリーヌ親子3人はフランスへ行くことになったのでしょうか?

ペリーヌの父・エドモンはフランスのマロクール村の生まれであり、大金持ちビルフランンの息子でした。ビルフランは早くに妻を亡くし、乳母を雇ってエドモンを育ててきた大きな織物工場を経営する人です。

ビルフランは何とかエドモンに織物工場の後継者になってほしいと願い続け、結婚相手も決めていたのですが当時から親子仲は決して良くなく、言い争ってばかりいました。ある時、ビルフランは仕事の命令でエドモンをインドに行かせます。エドモンはインドでインド人とイギリス人のハーフの女性と知り合います。この女性がペリーヌの母・マリなのです。

すぐに愛し合った2人は結婚し、一人娘のペリーヌを授かります。この結婚に猛反対のビルフランは何度もエドモンにフランスに戻る様に手紙で説得しましたが、応じないためとうとう親子の縁を切ってしまいました。

エドモンはフランスの織物工場の後継者のことなど必要ないと覚悟を決め、インドでマリと娘のペリーヌと親子3人で暮らしていくことにしました。もう親子の縁も切ったので、マリとペリーヌとインドで骨をうずめようとも考えていました。

でも最初は順調にいってたエドモンの仕事(詳細は不明)がどんどんうまくいかなくなり、生活のやりくりがうまくいかなくなったので、ペリーヌが13歳になった時、エドモンは3人で自分の故郷フランスのマロクールへ帰ろうと提案します。

元々大金持ちの生まれのエドモンがインドからフランスのビルフランのところへ帰ろうと決心したのは、もう相当貧しくなっていたに違いありません。

エドモンがインドでマリと結婚したのは、やはりビルフランに決められた女性と結婚させられるのが嫌で急いで式をあげたとも考えられますね。親の決めた結婚とは大昔ではよくあった話です。

当時としては親は子供には自分の家がらに相応しい相手と結婚して、子供を産ませるといった習慣というか、習わしがあったに違いありません。親の決めた結婚など大昔は当たり前だったと言えます。

でもペリーヌの母・マリはエドモンがフランスへ帰る決意を聞いても、決して反対などせず、夫のいうことに従って一緒に行くことにします。しかし旅をするには沢山のお金がかかります。汽車賃、船賃が出せないペリーヌ親子はとある町でロバと家馬車、写真機を手に入れてフランスまでの遠い距離を旅することになったのです。

そうなるとエドモンは家出覚悟でインドにやってきて、マリと出会ったことでお互いにひかれあって結婚したんですね。ですからエドモン自身、父のビルフランの思い通りにはなりたくないといった思いから何もかも捨てるつもりでいたのですね。

ですから結果的にインドで暮らしていたペリーヌ親子は最初から貧しい生活をしていた、ということになります。

それで親子3人もうインドでは暮らしていけないので、エドモンが親子の縁を切った父・ビルフランともう一度やり直すつもりでフランスに戻ることにしたのかもしれません。ビルフランにすぐには許されないことを覚悟の上で。

ペリーヌはフランスのおじいさまのところに行ける喜びで一杯でしたが、両親はこの時娘には自分たちが祖父の反対で結婚して今までインドで暮らしてきたことは一切明かしてはいませんでした。
さそかし辛かったことでしょう…!!

野生動物と人間が触れ合う!不可能を可能に変えたアニメかも?

アニメのラスカルと実際のあらいぐまはだいぶかけ離れていますが、でもこのあらいぐまラスカルは野生と人間が触れ合うことのできる不可能を可能に変えたアニメでもあります。

ですが、実際のあらいぐまは法律でも飼育禁止にされているのに何故そんなことが言えうるのか?と疑問視される方がいらっしゃるかもしれません。ですが野生の動物は何もあらいぐまだけではありません。他にも沢山いますよね。

日本国内であれば、山じゃなくても街中では雀が沢山飛んでいます。それにカラスも。カラスは相変わらず嫌われ者の鳥類ですが、実は飼うと意外にも人間に懐くのです。実は昔私の近所でカラスを捕まえて、籠で飼っていた人がいたのです。

正直周囲は「カラスを飼うなんて…!」と妙に気持ち悪がりましたが、カラスを駆っていた本人は何とも思わず、可愛がっていたのです。そう、ラスカルの中でも登場したポーと同じなのです。

しかし朝から「カーカー」と鳴かれるとさすがに近所迷惑で、苦情をいう人もいましたけど、当人は何を言われても逃がそうとはしませんでした。狭いかごに入れられて、玄関しかも誰もが目の付く場所に置かれていたものですから、何だか~って抵抗感はありましたね。

でもよ~くカラスの顔を見てみると、確かに体は真っ黒ですが意外と可愛い顔をしているんですよね。何といいますか、あの真っ黒な体にまんまるの目が妙にマッチしているのです。それに飼い主からいい餌を貰っているのか、体のつやがピカピカしてました。ポーのように実際のカラスは飼いならされると人間に懐くのは間違いありません。

それからカラスと同じ鳥類ではありますが、そのカラスとはうらはらに身近によく飼われているセキセイインコを皆さんはよく知っていますよね?セキセイインコだって本来は野生の鳥類だったのです。元々インコ類はオーストラリアに生息する鳥類ですが、あの体の色の美しさに人間たちが魅かれて、捕まえて飼うようになった、とも聞いております。

セキセイインコは体の色が多種多様で本当に美しい鳥です。それに何といっても愛らしくて可愛いです。ですからいつの間にか野生から身近なペットとして飼い鳥になってしまいました。

それにあのセキセイインコ独自の羽毛のふわふわ感。実に気持ち良くて、感触がいいのでますます可愛さ倍増になります。過去に私はセキセイインコを飼っていました。つがいのインコがどんどん卵を産んでひなをかえし、手乗りインコとして育てて行ったら最高14羽まで増えてしまいました。

セキセイインコはおうむの仲間ですから、しこめば言葉を覚える能力があり、よくしゃべるようになります。機嫌のいい時、体調のいい時は常にしゃべりっぱなしで、独り言を言ってるんですね。あれがセキセイインコの愛嬌とも言えますでしょうか。

ユーチューブの動画でセキセイインコの野生を見たのですが、やはり人間に飼われているセキセイインコとは違い、少し色が汚れているように見えます。でも集団で飛んでいったり、行動するところは他の野鳥と何ら変わりはありません。

他のインコにしてもそうですが、やっぱり身近なペットとして飼われるようになり家族の一員となっています。

あらいぐまはだめでしょうが、野生の動物でも全部が全部人間には馴染めない、懐かないことはありません。ローカルニュースでよく山から下りてきたタヌキやキツネなども餌を貰うことによって人間に懐いたっていう報道も見たことがあります。

まさしくラスカルのアニメは野生との動物の触れ合いをいかに大事にしよう!と教えてくれたのです。

ラスカルは愛嬌ある可愛いキャラ!実際のあらいぐまはどうなの?

アニメの中で見るラスカルって本当に愛らしくて可愛いあらいぐまです。子供の頃動物園であらいぐまを見ると、「ラスカルが沢山いるよ~!!」と母親に叫んだ覚えもありますし、実際自分が母親になって、動物園へまだ小さかった子どもたちにあらいぐまを見せると、「ほら、ここにラスカルいるよね。」と話した覚えがあります。

私の娘はNHK BSでラスカルが放送されたときに一生懸命見ていました。私の子供の頃のアニメが平成生まれの子に受けるとは…まさしくこれは親子2代、楽しめるアニメだ!と喜んでいました。

それ以来娘はラスカルのアニメが大好きになり、毎日の様に「ラスカルのビデオが見たい。」と言いだしてきました。それで飽きることなく毎日見ていました。それくらい印象強く引き付ける作品だったんですね。

アニメのあらいぐまは人間と仲良く、食べるものも人間と殆ど変わらない食生活をしていました。では実際の野生のあらいぐまはどんなものなんでしょうか?

本来野生のあらいぐまはアメリカ合衆国、カナダ、メキシコなどに多くいると言われています。実際のあらいぐまラスカルもアメリカが舞台になっていますから、それは当然のことといえます。

しかしアニメの中で主人公が赤ちゃんあらいぐまを見つけて育てて行きますが、現実あらいぐまって人間に飼われたら懐くのでしょうか?

まあ原作者のスターリングが実際にラスカルと名付けて、飼っていたわけですから全然懐かない、わけでもありません。でもあらいぐまはアニメでイメージしているのとは大幅に違います。

本当の野生のあらいぐまは非常に凶暴と言われています。農作物を荒らしまわり、家畜のニワトリなども平気で襲います。本当に人間になつくのは幼少期だけで、大人になると急に野生の本性を現すので、もう大人になったあらいぐまは飼うことが本当に難しくなるというか、もう不可能になっていくのです。

でもアニメのラスカルの影響で、野生のあらいぐまを捕獲して飼うことが一時期ありましたが、あまりにもアニメとのイメージがかけ離れていたために、無責任にも飼えないからといった理由から、勝手に逃がしてしまう飼い主が続出しました。逃がされたあらいぐまは、どんどん凶暴化し、農作物や家畜を荒らすだけでなく、人間まで襲うようになります。ですから野生化したあらいぐまがどんどん子孫繁栄をしたがために、日本では人間の住む住宅街にまであらいぐまが出没し、騒ぎを起こしています。

それにあらいぐまは結構病原菌をばらまきますので、身近な犬や猫までが感染する危険性は非常に大きいです。ですから野生のあらいぐまを見掛けたとしても餌などは絶対に与えてはいけません。

餌を与えればそれだけ多くの糞をしますので、そこからどんな病原菌が出てくるかのリスクがますます高くなるからです。ですから日本では法律であらいぐまの飼育・飼うことは原則禁止とされています。

動物園でさえもあらいぐまの世話をするのには難しい声が挙がっています。あらいぐまは体が大変やわらかくて運動能力にすぐれています。従って逃げてしまうともう見つけるのに大変になり、これはもうあらいぐまの能力の方が人間より勝っているとしか言いようがありません。

写真で見るとあらいぐまって本当に可愛い顔してますけど、この可愛い顔の裏には野生の凶暴性が潜んでいるんですね。

子供時代は自分自身もラスカルを見て、あらいぐまは賢くて人間に懐ける動物なんだ~って信じてましたが、それも小さいうちだけで、大人になって野生の凶暴さを出してからっではもう遅いんだとよくわかりました。

少年スターリングは動物好き!どんな動物でも友達に思えるのは何故?

主人公のスターリングは物語の最初から動物を飼っていました。カラスのポー、スカンク4匹、犬のファウザーがいました。カラスのポーはスターリングも手を焼くほどの酷いいたずら者で、近所の教会に巣を作って、鳴き声も「アホー、アホー」とわめいては、牧師さんや周囲の人達を不快にさせたり、注意をさんざんさせられる始末でした。

犬のファウザーはその反対で、とてもノース家には頼りになる番犬です。それにとても頭がよく、スターリングや父のウイラード、母のエリザベスからはとてもかわいがられていました。

スカンク4匹については、イタズラ少年がラスカルを盗みだそうとファウザーに犬をけしかけましたが、あまりのファウザーの迫力に相手の犬は負けてしまい、スカンクに八つ当たりしてほえてしまい、それに驚いたスカンクたちが臭いおならをぶちかまして、たまたま教会で結婚式をあげていたカップルにも影響を及ぼしてしまい、式のやり直しをするといったトラブルが発生しました。

そのことに怒った近所のサーマンはスカンクを殺す!と言いだしましたが結局スターリングはスカンクが殺されるのはたまらなかったので、仕方なくウエントワースの森に逃がしてやりました。

スターリングはスカンクたちは逃がしてしまいましたが、ラスカルやカラスのポーはどんなに近所の人から何を言われようとも決して途中で捨てるようなことはしませんでした。

「何しろ僕の友達ですから。」この彼の言葉にはハッとするものがあります。スターリングはどんな動物でも人間同様、友達にしてしまうんですね。

では彼はどうしてどんな動物でも友達と思えるのでしょうか?やはりそれは彼の心の奥から動物を深く愛する気持ちがあるからではないでしょうか。

ラスカルを赤ちゃんの時から育てて、スターリングは常にラスカルを友達と思い、そしてついには「僕の親友」とまで周囲に言うようになります。そして本当にラスカルを心から愛して毎日共に過ごしていきます。

そんなラスカルもスターリングの優しい気持ちが伝わったのか、彼を信じ、なつくようになります。あの可愛さは本当に釘付けにされましたね。

しかしスターリングがどんなにラスカルやポーを友達だと思っても、肝心のラスカルとポーはどうも馬が合いません。スターリングが赤ちゃんだったラスカルを連れてきたときから何だかポーの様子がおかしかったのは気づいていました。スターリングがラスカルをあまり可愛がるので、やきもちを焼いていたんでしょうね。

それにスターリングは近所の馬のドニイブルックやアリスとノーザネイルのホテルに出かけた時に知りあった沢山の動物たちとも何の違和感もなく接します。やはり彼は根っからの動物愛護精神のある少年と言えましょう。きっとラスカル意外の動物でもひょいひょいと友達にしてしまうでしょうね。

でもやっぱりスターリングにとってラスカルはかけがえのない存在、親友です。檻に入れることになっても、彼は胸を痛めますが、ラスカル自身も決してスターリングが本心から自分を檻に閉じ込めたんじゃない、ということが分かったのか素直に入ることを受け入れています。

やはり動物は飼えば家族の一員です。ただ可愛いだけでは飼えないでしょう。人間と同じように愛情を持って飼うようにと、このアニメで教えてもらったとも言えます。

あらいぐまラスカル!原作者は実は主人公の名前だって知ってる?

あらいぐまラスカルは世界名作劇場の中では、現在でも人気を誇っている作品と言えます。主人公の少年スターリングと野生のあらいぐまラスカルが人間と動物を超えた友情物語を見事にアニメの中で当時の子供達に分かりやすく描かれているためだと思います。

ところで皆さんはこのアニメあらいぐまラスカルの原作者の名前をご存知でしょうか?他の名作劇場は有名な作家が多いですが、このあらいぐまラスカルだけは主人公の名前「スターリング・ノース」そのままです。しかも原作名も「はるかなるわがラスカル」であり、これは実話を元にアニメ化された、ということです。

登場人物も実名で挙げられており、特にスターリングの2人の姉のセオドラやジェシカは実在の人物です。しかし原作とは違うところがあります。実は原作ではスターリングには上に兄がいた、ということです。アニメでは兄は全然登場してませんね。

あくまで3人姉弟の設定になっていました。といいますのも、原作もアニメ版でもスターリングは末っ子であることには間違いありませんが、何しろ上の姉、兄とは年齢が離れていましたので、原作ではスターリングの兄は第一次世界大戦の兵士になり、早くに戦死してしまった、ということです。

やはり当時子供向けのアニメにしては、お兄さんが戦死していないというのは少し抵抗があるからといった配慮で、変更されたと言えます。

それからラスカルとの初めての出会いも原作とアニメでは大きな違いがあります。森の中であらいぐまを発見したのは同じですが、何処が違うのかといいますと原作ではスターリングは友人とあらいぐまの住処を掘って、強引に赤ちゃんあらいぐまを捕まえたとのことです。そしてアニメ版では母親のあらいぐまをハンターに撃ち殺されてしまった、この違いなんですね。

やはりアニメのスターリングは動物好きな心優しい少年ですから、原作そのままのスタートではとても好感を持てないことで、ここでも変更されています。

スターリングの住んでいたアメリカのミルウォーキーから離れたブレルスフォードも実在する土地名で、1910年代が物語になっていますので、当時としては実に田舎でのんびりしたムードの漂う暮らしをしていたのがうかがえます。

アニメの中でラスカルは檻に入れられる前は、庭に自由に放し飼いにされてましたし、各家には必ず玄関、裏口がありました。スターリングの家もちゃんと玄関と裏口がありました。彼の友達などは、玄関からではなく、裏口から入るのが当たり前となっていたくらいです。

夜寝るシーンでも、スターリングは家のカギをかけている様子など見かけませんでした。今の日本じゃ考えられません。簡単に泥棒や強盗に入られてしまいます。でもスターリングのいた田舎は治安が実によくて生活しやすい所であったことが浮き彫りにされているのがよくわかりました。

原作のスターリングは実際にラスカルを飼っていたわけですから、勿論可愛がっていたわけです。でもラスカルとの別れのシーンでも原作とアニメでは大きな違いがあります。

アニメではスターリングの父親の経営する牧場が台風で全滅し、事業の立て直しにも失敗したので、只1つ残された農場で働く父が住み慣れた家を手放したことにより、スターリングは姉の家に引っ越すためにラスカルを野生に戻す決心をして別れています。

原作では動物嫌いの家政婦が来るので、(アニメではハケットさんがモデル。でも原作では登場なし)檻に入れるくらいだったら野生に戻したほうがいいと考えて、ラスカルと別れています。

只原作、アニメと同じなのはカヌーにラスカルを乗せて湖で放す、という点です。実話でも変更点ありますね。