小公女セーラ!父親が娘をロンドンの学校に入学させた理由とは?

小公女セーラは1年を通してハラハラドキドキして見た作品です。大金持ちの女の子が父の突然の死によって一気に貧しくなり学園のメイドとして、酷使される日々を強いられました。

この過酷な運命を背負ってきた主人公のセーラではありますが、もしロンドンへ来るようなことがなけれな彼女はインドでそのまま幸せに暮らせてたのではないでしょうか?

セーラの父・ラルフは娘をロンドンで本格的に勉強させて、教養を付けさせたい、と考えます。でもどうして親子離れて暮らしてまで娘をロンドンへ行かせる必要があるのでしょうか?

インドに住んでいても、学校はいくらでもあったはずです。セーラの時代というのは、実は親元を離れて寄宿舎へ行って勉強させる風習があった模様です。やはり寄宿舎に入る生徒は裕福な家庭育ちの子供ばかりで、語学、数学、行儀見習いなど上流階級を学ばせるために寄宿舎制度がありました。

とかくお金持ちの人々は晩さん会や舞踏会など大勢人の集まる所へ行く機会が多く、それに見合ったマナーや作法を子供のうちに学んでいくことが多かったのです。

ですからセーラの父・ラルフも母親を亡くしたセーラに教養と行儀作法を身に付けさせたい、それには自分の生まれ故郷のイギリス・ロンドンなら彼女は幸せになれるはずだと考えて、彼女をロンドンの寄宿舎に入学させることを思いつきます。

それには専属の弁護士が必要となり、ラルフはバローという名前の弁護士を雇って、セーラに相応しい寄宿舎を探します。それが「ミンチン女子学院」だったというわけです。

バロー弁護士を通じて、ミンチン女子学院に入学が決まったセーラの身の回り品はどんどん運び込まれて、ミンチン院長や妹のアメリアを驚かせます。大金持ちの子供なので特別生徒の扱いとして、セーラは入学を許されます。

でもラルフの選択は果たして正しかったのか?と言いますと決して正しくなかったように思います。セーラをロンドンの寄宿舎に入れたばかりに運命のいたずらか、ラルフは重病になって亡くなってしまい、破産宣告と債務処理に陥ってしまいました。その上、残されたセーラには更なる辛い人生が待ち構えていました。

特別生徒から一気に貧しい少女として、台所の下働きへ一変してしまいます。それこそ親子別々にならなかった方がセーラはず~っとインドで何不自由なく暮らせたはずです。

アニメの中ではセーラは行儀作法もダンスも完璧。それにフランス人の母の影響もあってか、フランス語は堪能です。セーラの母は彼女が4歳の時になくなっていますが、父が常にフランス語でセーラに話しかけてたらしく、そのお蔭で彼女はフランス語は誰にも負けないくらいにペラペラ話せます。

ミンチン女子学院ではフランス語の勉強に特に力を入れていましたが、セーラにはフランス語の授業は必要なかったかもしれませんね。

父・ラルフは結局命を落としたことで、愛娘を苦労のどん底に落としてしまいます。1人の人間がお金持ちから貧しさへと一気に人生が変わるなんて現代では考えられません。それに扱い方も豹変させるなんて本当に憤りを感じられずにはいられませんでした。