家なき子と言えば、主人公が男の子だったはずですが、この家なき子レミは男の子から女の子に変更されて放送されました。この作品がフジテレビの世界名作劇場の最後となりました。
エクトル・マロ原作では他に「ペリーヌ物語」があります。この作品も原作では「家なき少女」と評されていました。
シャバノ村に住む主人公レミは、母と妹のナナと幸せに暮らしていました。父はパリに出稼ぎで長年不在であり、レミもナナも父の顔は知らずに育ってきました。
ですが10歳の誕生日、パリから突然父が足に大けがをして帰宅しました。レミは始めてみる父に「お父さん!」と駆け寄りますが。でも父のジェロームは「お前は実は捨て子だったんだ!」と言い放つのでした。驚くレミでしたが、ナナは実の子であってもレミにとっては血のつながりのない妹と判明、レミは相当のショックを受けるのでした。
ジェロームはレミを捨て子の厄介者なので、早速追い出そうとし、人買いに売り出そうとしましたが、丁度旅芸人のヴィタリスによって助けられるのでした。レミはヴィタリスに連れられて旅に出ます。今まで育ててくれたバルムラン・ママは本当の母親ではなかったのです。じゃあ、私の本当のお母さんは何処?と胸を痛めます。
ヴィタリス一座は愉快な仲間がいました。サルのジョリクール、犬のカピ、ゼルビィーノ、ドルチェなど全てヴィタリスが芸を仕込んだのです。レミはすぐに一座に馴染んで歌や芸を覚えて行きました。
旅は最初は楽しく進みましたが、とある町で芸当の最中にヴィタリスは心無い警官に因縁を付けられ、牢獄に入れられてしまいます。仲間と取り残されたレミは、ヴィタリスの「前へ進めレミ!」の言葉を胸に彼が釈放されるまで待つことにします。
でもなかなかヴィタリスに会わせてもらえず、警官に頼んでも受け入れてもらえません。見張り役の警官にレミは突き飛ばされて気を失ってしまいます。そこで運命的な出会いをレミはします。
イギリス名門の貴族ミリガン夫人にレミは助けられました。そこには息子のアーサーがいて、車いすで生活をしていました。優しいミリガン夫人はヴィタリスが出てくるまでレミを自分の別荘に置くことにしました。
レミにとって初めての幸せな日々です。ヴィタリスが無事に釈放され、ミリガン夫人との別れの時、レミはアーサーに物心つく前から持っていたブローチをアーサーに渡して去っていきます。アーサーからレミから貰ったブローチを手にして、ミリガン夫人はこの瞬間レミが実の子供であることに気づきます!
レミは昔悪者によってさらわれてしまい、パリの下町に捨てられていたところをジェロームに拾われたのでした。それでシャバノ村で育てられたんですね。
そうとは知らないレミは再びヴィタリス一座との旅に出ますが、それからはとんでもないことの連続の運命と出くわしてしまいます。サルのジョリクールは馬車にひかれてけがをし、セルビィーノとドルチェはオオカミに殺されてしまいました。
その上ヴィタリスも体が病に侵されていました。ジョリクールは何とか助かりますが、ヴィタリスはとうとうパリで力尽きてレミを残して亡くなってしまいました。
ヴィタリスの遺言でレミは、ガスファールという名前の男性を訪ねますがもう本人はすでに他界、甥が住んでいて身寄りのない子どもたちに盗みなどを働かせていたのです。レミもこの男に捕まり、また辛い生活を強いられることになってしまいました。
ミリガン夫人はレミの行方を探し、パリにいることを突き止めますが、欲張りなガスファールの甥に礼金をよこせと脅します。レミはこの時監禁中。
でも何とか逃げ出し、実の母と感激の再会をしました!