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家なき子レミ!捨て子だったレミとヴィタリス一座の楽しくも辛い旅

家なき子と言えば、主人公が男の子だったはずですが、この家なき子レミは男の子から女の子に変更されて放送されました。この作品がフジテレビの世界名作劇場の最後となりました。

エクトル・マロ原作では他に「ペリーヌ物語」があります。この作品も原作では「家なき少女」と評されていました。

シャバノ村に住む主人公レミは、母と妹のナナと幸せに暮らしていました。父はパリに出稼ぎで長年不在であり、レミもナナも父の顔は知らずに育ってきました。

ですが10歳の誕生日、パリから突然父が足に大けがをして帰宅しました。レミは始めてみる父に「お父さん!」と駆け寄りますが。でも父のジェロームは「お前は実は捨て子だったんだ!」と言い放つのでした。驚くレミでしたが、ナナは実の子であってもレミにとっては血のつながりのない妹と判明、レミは相当のショックを受けるのでした。

ジェロームはレミを捨て子の厄介者なので、早速追い出そうとし、人買いに売り出そうとしましたが、丁度旅芸人のヴィタリスによって助けられるのでした。レミはヴィタリスに連れられて旅に出ます。今まで育ててくれたバルムラン・ママは本当の母親ではなかったのです。じゃあ、私の本当のお母さんは何処?と胸を痛めます。

ヴィタリス一座は愉快な仲間がいました。サルのジョリクール、犬のカピ、ゼルビィーノ、ドルチェなど全てヴィタリスが芸を仕込んだのです。レミはすぐに一座に馴染んで歌や芸を覚えて行きました。

旅は最初は楽しく進みましたが、とある町で芸当の最中にヴィタリスは心無い警官に因縁を付けられ、牢獄に入れられてしまいます。仲間と取り残されたレミは、ヴィタリスの「前へ進めレミ!」の言葉を胸に彼が釈放されるまで待つことにします。

でもなかなかヴィタリスに会わせてもらえず、警官に頼んでも受け入れてもらえません。見張り役の警官にレミは突き飛ばされて気を失ってしまいます。そこで運命的な出会いをレミはします。

イギリス名門の貴族ミリガン夫人にレミは助けられました。そこには息子のアーサーがいて、車いすで生活をしていました。優しいミリガン夫人はヴィタリスが出てくるまでレミを自分の別荘に置くことにしました。

レミにとって初めての幸せな日々です。ヴィタリスが無事に釈放され、ミリガン夫人との別れの時、レミはアーサーに物心つく前から持っていたブローチをアーサーに渡して去っていきます。アーサーからレミから貰ったブローチを手にして、ミリガン夫人はこの瞬間レミが実の子供であることに気づきます!

レミは昔悪者によってさらわれてしまい、パリの下町に捨てられていたところをジェロームに拾われたのでした。それでシャバノ村で育てられたんですね。

そうとは知らないレミは再びヴィタリス一座との旅に出ますが、それからはとんでもないことの連続の運命と出くわしてしまいます。サルのジョリクールは馬車にひかれてけがをし、セルビィーノとドルチェはオオカミに殺されてしまいました。

その上ヴィタリスも体が病に侵されていました。ジョリクールは何とか助かりますが、ヴィタリスはとうとうパリで力尽きてレミを残して亡くなってしまいました。

ヴィタリスの遺言でレミは、ガスファールという名前の男性を訪ねますがもう本人はすでに他界、甥が住んでいて身寄りのない子どもたちに盗みなどを働かせていたのです。レミもこの男に捕まり、また辛い生活を強いられることになってしまいました。

ミリガン夫人はレミの行方を探し、パリにいることを突き止めますが、欲張りなガスファールの甥に礼金をよこせと脅します。レミはこの時監禁中。

でも何とか逃げ出し、実の母と感激の再会をしました!

ロミオの青い空!ミラノで繰り広げられる黒い兄弟誕生の秘話とは?

ロミオの青い空はドイツ作家のリザー・テツナー原作の「黒い兄弟」が題名とされています。スイスの田舎に住むロミオが煙突掃除夫として、イタリア・ミラノに売られ、過酷な運命にあいながらも素晴らしい友との出会いで成長していく物語です。

ロミオは11歳の少年で母と父、そして双子の兄弟を持つ5人家族でした。当時のスイスでは子供を人買いにして歩く「死神」と呼ばれる男が現れて、ロミオをぜひとも売ってほしいと両親に言いだしてくるのでした。勿論両親は頑なに拒否。でもずるがしこい死神はロミオの両親の大切にしているトウモロコシ畑に放火し、畑や土地全体を全滅させる、といった何とも卑怯な手段を決行しました。

土地や畑を失ったことにより、ロミオの父は病気で倒れてしまいもう家族には医者を呼ぶためのお金さえありません。ロミオは父を助けるために、酒場にいる死神に「僕を買って欲しい」と申し出ます。死神はロミオにサインをさせ、医者を呼べるくらいの大金を出し、ロミオを買い取ってしまいました。

そしてロミオは故郷のスイスを離れて、煙突掃除夫として半年間イタリアのミラノで働くことになりました。ミラノの道中でアルフレドやその他ロミオと同じ煙突掃除の少年たちとロミオは出会います。

売られた先の煙突掃除の親方や家族から、酷い仕打ちをされるロミオでしたが、その家には「天使」と呼ばれる優しい少女が何かとロミオを助けてくれました。彼女の名前はアンジェレッタ。とても美しい少女で、実は貴族の娘であることが後で判明します。

辛い煙突掃除の仕事の傍ら、同じ境遇の少年たちと友情を深めて行くロミオ。その中でも最初に出会ったアルフレドとはまるで兄弟のように親しくなります。

でもロミオはアルフレドを見ていて、自分とはどこか違うのではないか?と気づき始めます。ミラノの街では煙突掃除の少年たちをターゲットにして襲う「オオカミ団」と名の付いた不良グループがいました。現代で言う弱い者いじめの集団ですね。

喧嘩でも平気でナイフを使ったり、窃盗や暴力も大人顔負けの手も付けられないグループに対抗するため、アルフレドは煙突掃除の少年たちを集めて「黒い兄弟」と名付け、絆を固めます。これがミラノで繰り広げられる「黒い兄弟」の誕生秘話です。

煙突掃除のすすで汚れて黒くなるので、「黒い兄弟」なのです。そんなオオカミ団も黒い兄弟に決して負けまいと、リーダーのジョバンニは決闘を仕掛けてきます。ですが卑怯なやり手のオオカミ団に勝つにはまず前もって黒い兄弟が罠をしかけないと勝ち目はありません。

でも喧嘩でお互いを傷つけることは嫌いな黒い兄弟は、その割には緩い罠をしかけました。風船に小麦粉を詰めて、オオカミ団の少年たちに投げつけるのが罠でした。

その成果は見事に成功、黒い兄弟はオオカミ団に勝ちました。ですがオオカミ団は負けたとは認めず、今度はアルフレドを人質に取り、ロミオとオオカミ団の中でも一番強い少年を戦わせるようにし組むなど、相変わらず悪の集団です。

でもオオカミ団のリーダージョバンニも、ここはナイフを一切使わず勝負をつけようとしますが、ロミオと戦った少年が隠れてナイフを持っていたことを発見、「この恥さらし野郎!」と言い、アルフレドを解放し、敗北を認めるのでした。

アルフレドには妹のビアンカがいて、実は名門貴族の子供で、両親を財産目当てで叔父夫婦に殺されてしまったのですが、その罪を着せられ、妹は囚われの身となっていました。ですが黒い兄弟の活躍でビアンカを救いだし、イタリア国王の前で兄弟そろって無実を証明することに成功しました。

ロミオにとってアルフレドは永遠の友でした。

七つの海のティコ!少女ナナミとシャチの友情・ヒカリクジラを探せ!

七つの海のティコは原作者がいません。調べたところ、世界名作劇場の全くのオリジナル作品であり、海の上を少女とシャチが仲良く世界中を旅する冒険アニメの1つと言えます。

主人公ナナミは父スコット(海洋生物学者)とその友人アルとペペロンチーノ号に乗って幻の生き物と言われるヒカリクジラを探していました。ナナミにとってペペロンチーノ号は船でもあり、自分の家でもあります。ですからアニメ内では、ナナミ自身の専用の部屋が出てきます。

旅の途中、メルベル家のお嬢様シェリルや執事のジェームスと知りあったり、父スコットの学友でもある父ルコントの息子トーマスが加わって合計6人でペペロンチーノ号で冒険の旅を続けます。

旅先では楽しいことばかりではなく、命の危険性さえ感じることも多々ありますね。でも嬉しいことも有りました。それはナナミが小さいころから親友としているシャチのティコに赤ちゃんが生まれたことです!もうナナミは感激です!

ティコの子供にはジュニアとつけ、親子で共にペペロンチーノ号と一緒に旅をします。最初はジュニアはナナミになつこうとはしませんでしたが、母親のティコやナナミの優しさに触れて徐々にナナミに対して友達と思うようになります。

ナナミは元々海で旅してるせいか、泳ぎは得意な様子で、ディコと共に深い所まで潜ってしまいます。それもダイビング器具とかも一切つけません。よっぽど女の子にしては肺活量が強いのでしょう。そして笛を吹いて親友のティコを呼ぶときは本当に深い絆を感じます。

でもナナミに突然の悲しみが襲います。北極に入った時にアルがスクイドボールに乗って、GMC船(ナナミの父・スコットのライバル兼悪役?)を助けようとしたところ、氷に挟まれてスクイドボールは絶体絶命のピンチ!そこでティコの活躍により、アルの乗ったスクイドボールは助かりますが、致命的な大けがを負ったティコはそのまま深い海底へと沈んでいき、命を落としてしまいました。

親友を突然失ったショックでナナミはなかなか悲しみから立ち直ることが出来ず、途方に暮れていましたが、スコット、アル、シェリル、トーマスの仲間やジュニアの暖かい存在によって元気を取り戻し、母親を失ったジュニアに改めてティコと呼ぶようになります。

ナナミの母はすでに他界してましたが、旅の途中日本に立ち寄って母の実家へナナミはスコットと一緒に訪ねて行きます。母の記憶がないナナミはその時、見せてもらった母の映像を見て、自分がころんだ場所を思い出し、母の笑顔も思い出します。何とも暖かいワンシーンでした。

そして一行は本格的にヒカリクジラを探し求めます。ヒカリクジラは体からトロンチウムを出すので、スコットの持つヒカリクジラの骨が反応するとたちまち光るので、急いで姿を求めて探し、とうとう見つけるのに成功します。

しかしライバルのBMC組織に先取りされてしまい、ヒカリクジラは実験台にされてしまいます。貴重な生き物を実験台にすることに猛反対のスコットはBMC組織に乗り込んで、ヒカリクジラを助けるようにしますが、出来ませんでした。

でもどういうわけかヒカリクジラの声の呼びかけで、海の生き物たちが助けようとBMC組織へ乗り込み、建物を壊すなどしてヒカリクジラを救出するのに成功します。この場面には不思議なシーンが多く、カモメが人間を襲い、他のクジラやアザラシまでもが駆けつけて悪役BMCの建物を体からぶつかって崩壊させるなど、少し恐怖感を覚えました。

最後、ナナミとティコはヒカリクジラと会話が出来、奇跡的に母親と会えるシーンがありました。これはヒカリクジラが助けてもらったお礼の意味合いですね。

ナンとジョー先生!若草物語の続編・先生になったジョーの多忙な日々

ナンとジョー先生は愛の若草物語の続編ではありますが、何故子供だったジョーが大人になってから先生になったのかのエピソードがありません。

それに主人公も先生になったジョーではなく、ナンと呼ばれる少女が主人公として描かれたアニメでした。でも前の若草物語の他の姉妹、メグ1人は登場するものの、べスやエイミーの登場はありませんでした。

アニメの途中でジョーが「べスは病気で亡くなった」と言ったコメントがあります。

15歳だったジョーは大人にすっかり成長し、フリッツ・ベアと結婚して2人の男の子の母親となります。そして夫婦で学校を設立し、沢山の子供達を受け入れ、寮生活をさせています。

ジョーは新しい女の子が入学するので、迎えに夫のフリッツと馬車で駅に行きますが、すでにその女の子の姿はなく、唖然とします。その女の子がナン(本名アニー・ハーディング)なのです。

一方学校では新しい新入生を歓迎するつもりが、イタズラ式で迎えようとトミーが仕組みます。お転婆な女の子ともう皆知っていたので、泣かせてやるつもりでいたんですね。トミーは学校で一番のいたずら者です。

ナンの姿を見るや否や皆で、泣かせようと色々イタズラを仕組みますが、そこはお転婆なナンは負けてはいません!あれやこれやと騒ぎを起こし、皆を驚かします。

その現場を見たジョーは、呆れるどころか大笑い。「アナタって素敵だわ!」と褒めたたえます。でもナンは「何故私を叱らないのですか?」と驚きますが、ジョーはちゃんと罰を与えます。ナンに対するジョーの罰は「アナタが先生になって、私達が生徒になること」。

ますます困惑するナンでしたが、彼女は知恵を振り絞って自分の小さいころの話を内容にして、「皆が知らない小さいころの私」といった題目で授業をするのでした。これはジョーもすっかり感心して、たちまちナンもジョーを好きになっていきました。

ジョーはナンのお転婆振りが自分の子供の頃に似ていることから、そのことをナンや他の生徒達にも話しました。それでナン自身もたちまち学校に馴染んでいきました。

フリッツとジョーの教育方針は、子供達を常に大きな夢を持って成長して欲しいと願います。でもどういうわけかジョーの経営する学校は圧倒的に男の子が多いのです。でもお転婆なナンはそんなことはおかまいなしに男の子たちと野球をして遊びます。

一方の唯一の女生徒であるデーズィは(実はジョーの姉のメグの娘・双子の兄妹デミの妹)ナンとは正反対でとても大人しい人形作りの上手な子でした。気の合わないナンとデーズィが仲良く遊べるようにと、ジョーは2人の部屋に台所を設置して、パンプキンパイを皆に作る様にするなど、本当に生徒思いの一面がうかがえます。

パンプキンパイは結局失敗しましたが、これをきっかけにナンとデーズィは仲良くなります。

ナンは将来医者になりたいと思うようになります。でもこの時代の女性の医者はまだまだ少なく、女性が医者になるなんてとんでもない!と馬鹿にされることが多かったですね。でもナンはどうしても医者になりたい夢を捨てきれず、自家栽培して薬草を作ったり、他の生徒に患者の役目をしてもらうために、包帯を巻くなどしてやや強引な所があります。

でもそんなナンを見ていてジョーは先生として深い理解を示し、医者になりたいのなら沢山勉強するようにと、ナンに勧めます。

他の生徒たちも夢を実現して羽ばたき、ジョーは先生をやってきて本当に良かったと心底思いました。

子供時代は男の子みたいだったジョーも、先生になって一人前の女性に変化したことがよくわかりました。

アニメ三銃士!ダルタニャンと三銃士のパリでの出会いと冒険の日々

アニメ三銃士は、NHKで放送されていた作品ですが、パリを舞台とした銃士を夢見る少年と三銃士の友情を描いたものなので、私自身大好きでした。

これは「フランス革命」の約100年前のストーリーですので、実在の人物ルイ13世、アンヌ王妃、フランス総理大臣で枢機卿のリシュリューなど重要人物が沢山登場したので、とても見ものなアニメと1つと言えます。

南フランスのガスコーニュに住む少年ダルタニャンは、貴族生まれではありましたが父が戦争で戦死したことにより貧乏になって、今は祖父母と暮らしています。でも父が銃士隊であったことを常に誇りに思い、パリに出て自分も銃士になりたいと夢見るようになり、ガスコーニュを出て行きました。

田舎育ちのダルタニャンにとってパリは大都会。そこで初めて会った可愛い少女コンスタンスに一目ぼれします。でも祖母からもたらされたお金を盗まれてしまい、はだしのジャンと呼ばれる少年とも出会い、それから2人は親しくなります。

この時代のパリはルイ13世と総理大臣のリシュリューが激しく対立し、政治は何とも不安定なものでした。ですからルイ13世率いる銃士隊とリシュリュー率いる護衛隊とは常に仲が悪く、いつもはりあっている有様でした。

リシュリューの手下として動く悪魔のような美女ミレディーは子ザルを連れて、若い割には頭の切れるダルタニャンを密かに引かれつつも、敵視していました。そして護衛隊のまとめ役、ロシュフォール伯爵と手を組んで、三銃士とダルタニャンを決闘させようと仕組みます。

パリでも超有名な三銃士、アトス、アラミス、ポルトスは剣の達人とも言われ、若いダルタニャンが三銃士に勝てるはずがないと、ミレディーとロシュフォール伯爵は隠れて笑っていました。

ですが決闘はリシュリューの決めた法律で一切禁止、そのことを承知の三銃士はダルタニャンをちょっとこらしめようといった程度で考えていました。でもなかなか決闘をしないことに業を煮やしたミレディーは、魔法の笛で蛇をおびき寄せてアラミスに剣を抜かせ、三銃士を決闘の現行犯で逮捕しようとします。

でもトレヴィル隊長の機転で、誤解は解け、三銃士とダルタニャンの間に友情が芽生え、パリでの冒険の日々が繰り広げられるようになります。

コンスタンスも次第にダルタニャンに魅かれるようになり、2人は相思相愛になります。コンスタンスが侍女を務める王妃アンヌに危機が訪れます。それはイギリスの総理大臣バッキンガムが隠れてパリにやってきたのです。バッキンガムとアンヌは元恋人同士で、このことがルイ13世に知れ渡れば、アンヌは王妃の座を下ろされてフランス追放になってしまうのです。

リシュリューはアンヌの存在を前から気に入らず、ミレディーを使って汚い手で陰謀を企んでは追い出そうとしていました。そんな時にアンヌは大事なネックレスをバッキンガムに渡してしまい、もう二度と会わないようにと彼にお願いするのでした。

それを知ったリシュリューは今度こそアンヌを追いだすために、ルイ13世をたぶらかして、バッキンガムがネックレスを貰ったことを話、ルイ13世も不信感を抱き、今度の舞踏会にそのネックレスをつけて出るように命令します。

困ったアンヌはネックレスを取り戻すようにダルタニャンに依頼し、三銃士と共にイギリスへ向かいます、ですが途中にはリシュリューの卑怯な罠がありましたが、4人は見事に突破し、イギリスへダルタニャンを向かわせます。そして彼もまたミレデイーの仕掛けた陰謀を見破り、無事バッキンガムからアンヌ王妃のネックレスを取り戻すことに成功、その後憧れの銃士隊に入隊出来ました。

小公子セディ!心綺麗な少年が冷淡な祖父を見事に変えて行く!

小公子セディは小公女セーラと同じ原作者です。フランシス・ボトソン・バーネットで、イギリス人の作家です。やはり原作者がイギリス人でありますので、小公女セーラと同様、舞台はイギリスです。

セディの本名・セドリック・エロルは両親とアメリカニューヨークの下町で、両親と3人で幸せに暮らしていました。セディの父、ジェームスは元々イギリス貴族の出身であり、兄が早くに他界したため、貴族の伯爵の後継者となる運命を背負っていました。

でもジェームスの父、ドリンコート伯爵は息子がアメリカ人の女性、つまりセディの母アニーと結婚したことを快く思っていないため、ジェームスは伯爵の後継者にはならないと頑なに拒否をしていました。

でも働きすぎたジェームスは病気で倒れて、亡くなってしまい、残された唯一の男系セディが伯爵家の後継者としての運命を背負うことになりました。でも母アニーはセディがイギリスに行くのを最初は反対していましたが、伯爵の命令により、アニーとセディはアメリカを離れて、イギリスへ専任の弁護士と共にイギリスへ旅立ちました。

でも伯爵はセディを立派な後継者として教育させるために、母と引き離すといった、何とも酷い仕打ちをします。セディもまだ会ったことのない伯爵・おじいさんに対して「おじいさんなんか大嫌いだ!」と悲しみます。

一方のアニーも愛息子のセディと引き離されたことにより、弁護士にアメリカに帰すように懇願しますが、伯爵の命令には絶対に逆らえないことを知り、それを受け入れることにし、いつかまたセディと暮らせるようにと、伯爵を信じようと決心します。

アニーと暮らせないセディは、その寂しさに耐えながらも、屋敷の人たちとはすぐに打ち解けて仲良しになります。特に専任メイドのジェーンとはまるで姉弟のように親しくなります。そんなジェーンも「セディ」と呼んで常に親しみを感じて接しています。

ロンドンから伯爵が帰ってくると、初対面にも関わらず、セディは「おじいさん!」と親しみを込めて接します。伯爵はアメリカ人の子供など躾のなっていないどうしようもない奴だと決めつけ、絶対に人を近づけない、信用しないなどの冷淡な心の持ち主でした。

母と引き離されたのも伯爵の命令だと知らないセディは「おじいさんは優しくて親切な人」と心の底から信じています。セディは両親の教えで決して人を疑うことのない、素直な心綺麗な少年です。

そんなセディの無邪気さ、心優しさに伯爵は魅かれて行きます。ここがおじいさんと孫の血族の証でしょうか。やはりどんなにアメリカ人の嫁は憎くても、セディは自分の息子ジェームスの血を引いた実の子。結局は孫が可愛いんですよね。

セディが自分に親しみを持ってくれることで、伯爵の氷着いた心も段々と解けて行きます。そして一緒に遠乗りが出来るようにセディに素晴らしい白馬をプレゼントしたりと、徐々に伯爵もセディを愛するようになっていく面が見られます。

伯爵の私有地には沢山の貧しい人々が住んでいます。家がボロボロの所も沢山あります。それを見たセディは伯爵に貧しい人々に新しい家と住みやすい環境を作ってほしいと説得します。その頃母アニーも貧しい人々のために司祭様と食べ物を運んだり、生活の世話などをしていました。

貧しい人々を目のあたりにした伯爵は私有地に住む人々の家を全部立て替え、道路整備、生活環境の改善をします。これもセディが伯爵の心を動かしたからこそです。でもセディはこれは全部「おじいさんが親切だからしてくれたんだ」と信じ切っていました。

その後伯爵は母アニーと和解、お屋敷に呼んで母、息子、おじいさんの3人で幸せに輝きました。

愛の若草物語!南北戦争時代の心和む愛にあふれた仲良し4人姉妹!

「若草物語」は昔学校の図書館に置いてあったことを覚えていますが、何だか難しそうで原作を読む気になれず、題名だけ知っていて内容は全然知らないまま私は大人になってしまいました。

でもこの有名な物語がアニメ化されたことにより、初めて内容の面白さを感じました。

アメリカ南北戦争の最中の時代ですから、1860年代半ば頃の物語です。若草物語の4姉妹の父・フレデリックは南北戦争の兵士であり、奴隷解放のために戦っていて、家には殆どいませんでした。

父のいない生活をする仲の良い4姉妹とその母・メアリーは戦争が早く終わってほしいと心から願っていました。そんな時に自分たちの住んでいた町が敵兵に襲われ、大砲で火を放たれて焼かれてしまう、といった悲惨な目にあってしまいます。

家を失った4姉妹とメアリーはフレデリックの叔母のいるニューコードへ引っ越し、その叔母を訪ねて行きます。最初は冷たく当たっていた叔母・マーサは甥のフレデリックの家族に愛情を注ぐようになり、何かと世話をしてくれるようになります。

貸家を見つけ、フレデリックがいつでも帰れるように4姉妹とメアリーは力合わせてニューコードでの新しい生活を始めます。

長女メグはお金持ちの屋敷の子供達の家庭教師に、次女ジョーは新聞社に自分の書いた小説を持ち込んで、新聞に載せて欲しい!と売り込みむなど何かと家計を助けようと試みます。

三女べスはとてもピアノが上手な女の子です。でも内気な性格からか、学校へは行かず、殆ど家の中で過ごすことが多いです。四女のエイミーは学校に通う女の子で、活発な女の子ではありますが、末っ子からかわがままな面があり、いつもジョーと喧嘩になることがあります。

四姉妹の隣りには大金持ちのジェームス・ローレンスと孫のローリーが住んでいます。ローリーがジョーと仲良くなったのがきっかけで、隣同士、家族ぐるみの付き合いをすることになりました。

ローリーはなかなかの好青年です。そしてジョーにあった時から彼女に好意を寄せるようになりますが、当人のジョーはそのことには全く気付いていませんでしたね。

ローリーは元々ピアニストになるのを夢見ていましたが、祖父に反対されて大学へ行くように勧められます。その受験勉強のために専属の家庭教師カール・ブルックが彼の勉強の手助けをしていました。

メグはこのローリーの家庭教師に一目ぼれし、またカールも彼女に一目ぼれし、一気に恋に落ちますがなかなか仲は進展しません。

そんな時に辛い知らせが家族を襲います。それは戦場にいる父がチフスの病で倒れてしまったことです。母はすぐに病院へ駆けつけ、四姉妹で両親の留守を守ることにします。しかし運の悪いことに今度はべスが猩紅熱に侵され、事態は悪化の意図。

幸いなことに父の病気が回復傾向にあったので、母はべスの病気を電報で知り、帰宅します。父の看病はローリーの家庭教師カールがすることになりました。

一時は重症になったべスも、皆の看病のお蔭で無事回復します。そして父も同時に回復し、クリスマスに家族の元へ帰ってきます。そしてカールに感謝したメグは彼と婚約します。

その間にリンカーン大統領が演説で「奴隷解放」の演説を公衆の前でしたことは有名です。「人民の人民による人民のための政治」の発したこの言葉はリンカーン大統領の白人、黒人の差別をなくすためのこの歴史上に残る名セリフですね。

リンカーン大統領の存在がなかったら、黒人は白人の奴隷であることはいつまでも続いていたのではないでしょうか?

べスと父が全快し、メグも婚約したことでこの家族は幸せになった、という結末と南北戦争も終わったことでハッピーエンドでした。

愛少女ポリアンナ物語!よかった探しの名人の天真爛漫な少女って?

愛少女ポリアンナ物語は前作の小公女セーラと比べると、ストーリー自体明るくて登場人物も個性的な人が多い作品と言えます。

1920年代のアメリカのとある田舎で暮らす主人公ポリアンナは、父のジョン牧師と2人で幸せに暮らしていました。母のジェニーはポリアンナが4歳の時に他界しました。でもポリアンナは明るく元気な女の子に成長しました。

ですが父のジョンは元々体が弱く、心臓病を患っていたにも関わらず牧師の仕事をこなしてました。ポリアンナはそんな父の体を心配しますがある日、心臓発作により亡くなってしまいました。

両親を亡くしたポリアンナは、母方の叔母に当たるパレー・ハリントンに引き取られます。つまりパレーはポリアンナの母の妹で、ずっと独身を通してきました。最初はバタバタするポリアンナを疎ましく感じますが、やがてポリアンナの素直さ、明るさに魅かれて徐々に優しくなっていきます。

パレーの住むベルディングスビルには、変わった人達が多く住んでいました。大金持ちで周囲から変わり者呼ばわりされているジョン・ペンデルトン、病気で寝たきりの貧しいスノー婦人など、ポリアンナはおかまいなしに親しみを持って、接しては父から教わった「よかった探し」を教えて行きます。

よかった探しとは、ポリアンナの父が見出したゲームの1つで、聖書の中に嬉しい言葉が800個あると愛娘に伝授したのが始まりでした。

ですからポリアンナの口癖は、「わ~い、よかった!」です。これは自分で他人のよかった探しが出来た時でもよく発する言葉です。

たちまちポリアンナのよかった探しはベルディングスビルの人たちに知れ渡り、沢山の人たちを幸せにしていきました。天真爛漫な少女、ポリアンナのお蔭ですね。

そしてポリアンナは孤児院出身のジミー・ビーンと友達になります。ジミーはポリアンナにとってはベルディングスで出会った最初の友達で2人はお互いにかげがえのない存在、親友となっていきます。

その後ジミーはポリアンナの計らいで、ジョン・ペンデルトンの養子となり一気にお金持ちのおぼっちゃんに変わります。でも義父となったペンデルトンとは実の親子以上に仲良しになりました。ポリアンナって本当に他人まで幸せにする力を持っていますね。

途中ポリアンナは交通事故によって、脊髄を傷め下半身まひになってしまうという不幸な災難に境遇します。一時は彼女自身得意のよかった探しが出来なくなってしまいますが、ベルディングスビルに住む暖かい人たちの励ましによって元気を取り戻します。

チルトン医師によれば、ボストンのエームス博士ならポリアンナの足を治せるんじゃないかと提案し、ポリアンナはパレーとチルトン医師の同行でポストンの病院で足の手術を受け、無事に成功しました。

リハビリ中はボストンの看護師デラが姉のためにどうしてもポリアンナのような子が必要だと言い、カリウ家に滞在します。カリウ夫人は大金持ちの割には不幸な女性で、甥のジェミーを探すことだけが生きがいでした。

他人の不幸でも自分のことの様に思う優しいポリアンナは、たまたまボストン公園で知りあった少年がカリウ夫人の探しているジェミーではないかと思うようになります。が、名前が同じなだけでその他には証拠たるものがありませんでしたので、様子を見がてら引き取ることをカリウ夫人に提案します。

最初は気乗りしなかったカリウ夫人も、もしかして?の期待を持って車いすの少年ジェミーを身代わりとして引き取ります。

その後、弁護士を通して甥のジェミーを探し続けていたところ、何とジミー・ビーンがカリウ夫人の探していたジェミー・ケントと判明します。

意外な結末でした。

小公女セーラ!ロンドン版おしん?悲劇的ヒロインの過酷な実態

小公女は子供の頃本で読んだ覚えがあり、この作品がまさかアニメになるとは思ってもいませんでした。でもアニメになったことで主人公の過酷な人生が実にリアルに描かれたと思います。

イギリスの大富豪に生まれたセーラ・クルーは4才の時にフランス人の母親を亡くしています。でも父親のラルフにとても愛されて育てられたプリンセスです。

セーラの父ラフルは愛娘を自分の故郷のイギリス・ロンドンで勉強させたいと思い、寄宿学園の「ミンチン女子学院」を選びます。大金持ちのお嬢様ということで、特別寄宿舎生徒として入学をします。

ラルフは仕事のため、インドに戻らなければなりませんが、別れの前日に冬の寒い中愛娘のセーラと最後の親子の時間を過ごします。セーラはエミリー人形を探します。そして高級洋服店に飾られてあるフランス人形を見つけて、店の主人にその人形を譲り受けます。

父との別れの後、セーラは正式にミンチン学院の生徒の1人になりました。セーラはお金持ちでもちっとも気取りませんから、たちまち生徒中の人気者となります。

ですが代表生徒であるラビニアはそんなセーラの存在が面白くありません。プライドの高い彼女はセーラに対して意地悪をするようになります。

途中ミンチン学院のメイドとして、ベッキーがやってきます。そんな彼女を見てセーラは心から心配します。でもベッキーもそんなセーラの優しさに触れて「心優しいお嬢様」と思いを寄せるようになります。

11歳の誕生日、学院中でセーラの誕生祝をします。そして父からの手紙ではダイヤモンド鉱山を友人と発見し、セーラはダイヤモンド・プリンセスとしてますます大金持ちになれるはずでした。でも誕生祝の最終に不幸な知らせがセーラを襲いました。

ダイヤモンド鉱山は発見できず、その上父は破産して熱病で亡くなったと言うのです。悲しみに暮れるセーラ…でもこの瞬間院長のミンチンはセーラを一文無しとみなしてベッキーと同じようにメイドとして無給料で働かせることにしました。

お嬢様身分だったセーラの生活は一変し、汚い屋根裏部屋がこれからのセーラの生活にますます過酷な人生を予想させるような展開が見えてきました。でもベッキーはセーラの境遇が変わっても「お嬢様」と呼んで接します。親友のアーメンガード、ロッティもセーラのことが心配でなりません。

でもセーラの変わりぶりに一番喜んだのは意地悪なラビニアです。取り巻きの2人とメイドになったセーラをことごとくイジメます。

それだけではありません。ミンチン自身もセーラの父が学院のために高額な寄付金を出せなくなったのを理由に彼女をこき使います。これではまさしくロンドン版おしんです。

そんな折、ミンチン学院の隣りに病気のイギリス人紳士が引っ越してきます。その人はインドで病気になり、車いすの生活をしているのです。そのことを知ったセーラは自分の亡くなった父と同じ病気なのかを思うと他人事の様に思えないと優しく見守るのでした。

辛さに耐えるセーラでしたが、ミンチン院長やラビニアの執拗なイジメや無理やり仕事を押し付けられてとうとう病に倒れます。

隣りのインド人のラムダスがこのことに気づき、紳士と共にセーラにひそかに魔法のごちそうをプレゼントします。そのお蔭でセーラは元気になりました。

でもその幸せな時間もつかの間、魔法のごちそうはすぐにミンチンに見つかり、セーラは寒い馬小屋へ追いやられます。ですが素晴らしい贈り物がセーラの元に届き、中身はドレスばかり。

ミンチンはセーラには他に援助人がいるのかと思い、急に優しくなります。

実は隣の紳士がセーラを探していた人で、セーラはまた幸福に返り咲きました。

牧場の少女カトリ!小さいながらに一生懸命働く少女カトリの姿とは?

舞台は1900年初めのフィンランドです。カトリは祖父母の元に預けられ、母親は遠くに働きに行き、なかなか帰ってきません。カトリの父親はすでに他界していました。

久しぶりにカトリの母親が帰ってきて、6歳のカトリは大喜びです。でも母親は今まで勤めてきたお屋敷のご主人と同行してドイツへ行くことになり、お土産のダックスフンドを置いてまたカトリと別れてしまいます。

あれから3年経過しても、母親は帰らず祖父母の生活は豊かではないことを察したカトリは遠くに働きに行くことに決めます。母親から貰った犬には「アベル」と名付け、一緒に家畜番の仕事をするためにライコラ屋敷に雇われます。

カトリは途中マルティと言う男の子と親しくなり、彼は何かとカトリを助けてくれます。また隣りのペンティラ屋敷で働くペッカもカトリを気に入り、マルティがカトリと親しいのが気に入らないらしく、最初はマルティと喧嘩になりました。

でもカトリの機転で2人は仲良くなりました。カトリの愛犬アベルはとても頼りになる存在です。牛の見張り、狩りなども出来るとても頭のいい犬です。でもダックスフンドなので最初は誰からも「短足」とからわれてしまいます。

ライコラ屋敷に雇われて1年後の春、家畜番をしていたカトリに凶暴なクマが襲いかかります。一番賢い牛の「クロ」にカトリは助けられますが、ライコラ主人がカトリのこれからの危険性を考えて家畜番を仕方なくおろす判断を下しました。

仕事を失ったカトリですが、ペンティラ屋敷を辞めたペッカが自分の働き先に来ないかとカトリを誘います。一度は元気な姿を祖父母に見せるため、故郷に戻りますが、すぐにペッカの働くクーセラ屋敷に向かいます。

クーセラ屋敷に着くと、カトリはクーセラ夫人にすぐに気に入られ、息子のクラウスの遊び相手兼クーセラ夫人の小間使いとして雇われました。ここでの仕事はライコラ屋敷とは違い本当に楽で、カトリはこれでいいのか?と思います。

でもカトリはこの時すでに10歳の少女。ここまでよく働くとは何とも大人並み以上です。家が貧しいのもあり、学校へ通えないカトリは周囲の恩恵を受けて色々な本を貰っては仕事の傍ら勉強に励みます。

昼間は仕事、そして夜は勉強とカトリは本当に努力家と言えます。算数を独学でやるとは何とも驚きました!足し算、引き算、九九も全部自分で独学したのです。

そんな時にクーセラ夫人のご主人が戦死したとの知らせがあり、ショックのあまり、クーセラ夫人は実家のあるツゥルクヘ戻ることを決断。そしてカトリにも来て欲しいと言います。田舎育ちのカトリにはツゥルクは未知の世界。とりあえず祖父母の許可を貰ってからツゥルクヘ向かうことにしました。

アベルと一緒にツゥルクヘ着くと、そこには冷たい視線がカトリに向けられました。クーセラ夫人の父親に当たる妹が屋敷の一切を取り仕切っていました。田舎育ちのカトリに対して冷たく当たり、イジメるのでした。

でもカトリはそんな冷たい仕打ちには負けていませんでした。一生懸命働いているうちに周囲もカトリに信頼を寄せるようになり、クーセラ夫人はカトリを学校へ通わせてくれます。カトリは特待生として入学が認められました。

最初は冷たく当たっていた屋敷の人々もカトリと和解し、優しくなっていきます。カトリはどんな人間でも優しく接することのできる女の子であることが分かりました。

そしてドイツからカトリの母親がツゥルクの病院へ運ばれて入院だと知らせがあり、6年ぶりに母子は再会を果たしました。後カトリは作家になったということです。

カトリは本当に頭のいい少女だったことがよく分かりました。