小公女セーラ!ロンドン版おしん?悲劇的ヒロインの過酷な実態

小公女は子供の頃本で読んだ覚えがあり、この作品がまさかアニメになるとは思ってもいませんでした。でもアニメになったことで主人公の過酷な人生が実にリアルに描かれたと思います。

イギリスの大富豪に生まれたセーラ・クルーは4才の時にフランス人の母親を亡くしています。でも父親のラルフにとても愛されて育てられたプリンセスです。

セーラの父ラフルは愛娘を自分の故郷のイギリス・ロンドンで勉強させたいと思い、寄宿学園の「ミンチン女子学院」を選びます。大金持ちのお嬢様ということで、特別寄宿舎生徒として入学をします。

ラルフは仕事のため、インドに戻らなければなりませんが、別れの前日に冬の寒い中愛娘のセーラと最後の親子の時間を過ごします。セーラはエミリー人形を探します。そして高級洋服店に飾られてあるフランス人形を見つけて、店の主人にその人形を譲り受けます。

父との別れの後、セーラは正式にミンチン学院の生徒の1人になりました。セーラはお金持ちでもちっとも気取りませんから、たちまち生徒中の人気者となります。

ですが代表生徒であるラビニアはそんなセーラの存在が面白くありません。プライドの高い彼女はセーラに対して意地悪をするようになります。

途中ミンチン学院のメイドとして、ベッキーがやってきます。そんな彼女を見てセーラは心から心配します。でもベッキーもそんなセーラの優しさに触れて「心優しいお嬢様」と思いを寄せるようになります。

11歳の誕生日、学院中でセーラの誕生祝をします。そして父からの手紙ではダイヤモンド鉱山を友人と発見し、セーラはダイヤモンド・プリンセスとしてますます大金持ちになれるはずでした。でも誕生祝の最終に不幸な知らせがセーラを襲いました。

ダイヤモンド鉱山は発見できず、その上父は破産して熱病で亡くなったと言うのです。悲しみに暮れるセーラ…でもこの瞬間院長のミンチンはセーラを一文無しとみなしてベッキーと同じようにメイドとして無給料で働かせることにしました。

お嬢様身分だったセーラの生活は一変し、汚い屋根裏部屋がこれからのセーラの生活にますます過酷な人生を予想させるような展開が見えてきました。でもベッキーはセーラの境遇が変わっても「お嬢様」と呼んで接します。親友のアーメンガード、ロッティもセーラのことが心配でなりません。

でもセーラの変わりぶりに一番喜んだのは意地悪なラビニアです。取り巻きの2人とメイドになったセーラをことごとくイジメます。

それだけではありません。ミンチン自身もセーラの父が学院のために高額な寄付金を出せなくなったのを理由に彼女をこき使います。これではまさしくロンドン版おしんです。

そんな折、ミンチン学院の隣りに病気のイギリス人紳士が引っ越してきます。その人はインドで病気になり、車いすの生活をしているのです。そのことを知ったセーラは自分の亡くなった父と同じ病気なのかを思うと他人事の様に思えないと優しく見守るのでした。

辛さに耐えるセーラでしたが、ミンチン院長やラビニアの執拗なイジメや無理やり仕事を押し付けられてとうとう病に倒れます。

隣りのインド人のラムダスがこのことに気づき、紳士と共にセーラにひそかに魔法のごちそうをプレゼントします。そのお蔭でセーラは元気になりました。

でもその幸せな時間もつかの間、魔法のごちそうはすぐにミンチンに見つかり、セーラは寒い馬小屋へ追いやられます。ですが素晴らしい贈り物がセーラの元に届き、中身はドレスばかり。

ミンチンはセーラには他に援助人がいるのかと思い、急に優しくなります。

実は隣の紳士がセーラを探していた人で、セーラはまた幸福に返り咲きました。