ハイジがフランクフルトで患った病気の謎!夢遊病の正体とは?

ハイジは8歳の春、叔母のデーテにフランクフルトの遊び相手として、大富豪ゼーゼマン家に連れて行かれて、1人娘のクララと出会い、すぐに仲良しになります。ハイジが来たことで、クララは自分にもやっと友達が出来た!と大喜びしますが、一方のハイジはいきなり連れてこられたこの大都会のフランクフルトの生活には全然馴染めませんでした。

ハイジにとって、フランクフルトのクララでのお屋敷の生活は「籠の中の鳥」と同じでした。ですからクララが大切に飼っていたカナリアを山にいたころのピッチーと同じように考えて、籠から逃がしてしまうシーンがあります。ハイジに悪気はなくても、執事のロッテンマイヤーさんは地下室にハイジを閉じ込めるなど、とにかくハイジに対してはきつく当たってばかりいましたね。

でもフランクフルト編の話が進むにつれ、ハイジはクララのために自分はここにいなくてはならない、といった優しさと恋しいアルプスに帰りたいのを必死に我慢し、日々葛藤します。

そしてロッテンマイヤーさんに叱られ三昧の日々の中でも、クララのお父さんのゼーゼマン、おばあさまなどの触れ合いによってハイジは一時は山が恋しい気持ちを忘れることが出来ました。しかし、おばあさまが帰ってしまった後、ハイジはまた山へ帰りたい気持ちが段々強まっていきます。

クララは何とかハイジを説得します。「ダメよ、山へは帰っちゃダメ!私また1人ぽっちになってしまうわ!」このセリフでは何だかクララの自己中心的な所がうかがえます。ハイジにだって本来は帰る家があるのに…その上、ロッテンマイヤーさんの何とも心無い「あなたは山のことばかり言って、お嬢様のご病気を重くするのですか?」そして「以後山のことを話したり、思いだしたりしたら承知しませんよ。」まあ~、何とも大人都合の酷いセリフ!全然ハイジの気持ちを理解していません。

これをさかえにハイジの心はどんどん病んでいきます。自分が山のことを話せば、クララの病気が重くなる、帰りたいけど帰れない、などハイジも自暴自棄になり公では涙することも出来ず、ひたすら我慢していきます。

そしてとうとうハイジはアルプスの山への強い思いから、「夢遊病」になってしまいます。この夢遊病って一体何でしょうか?アニメではハイジは毎晩アルプスに帰った夢を見て小屋を戸を開いて、星空を見上げると話していました。

最初は白い幽霊が降りてきて、玄関の戸を開けるということで、屋敷中が騒いで、ゼーゼマンとお医者様が夜中に幽霊の正体をあばこうと夜中に見張りをし、丁度玄関に立っていたハイジを見て驚きます。でもお医者様は冷静にハイジに「何処へ行くつもりだったの?」と優しく聞きます。お医者様はハイジの話からすぐにこれは「夢遊病」と診断を下します。

そもそも夢遊病とは、脳は眠っているのに無意識のうちに体だけが動いてしまうと言われる、「睡眠障害」の1つと言われています。発症しやすいのは4歳~8歳の子供に多いと言われています。まさしくハイジも当てはまります。

夢遊病は元々遺伝性である可能性が高く、原作によるとハイジの母、アーデルバイドが父のトヴィアスが事故で急死した数日後に夫の後を追うようにして夢遊病で亡くなったエピソードがあります。

まさしくハイジは母の病気を受け継いだのでしょう。でも夢遊病は放置して置くととんでもないことが起こります。夜驚症と言って、夜中に恐怖感が原因で泣いたりわめいたりする重い睡眠障害に発展してしまいます。

ハイジの場合は山に帰りたい重度のホームシックが原因で、夢遊病になったのですから、完全に心の病です。でも山に帰ったことですぐに回復しました。