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南の虹のルーシー!オーストラリアで開拓農民を夢見る家族物語です
1830年代、イギリスからオーストラリアへ開拓農民を夢見た家族がやってきた物語です。イギリスから広い土地を手に入れるためオーストラリアへ渡ってきたのはポップル一家。
この時代のオーストラリアはまだ土地の測量が進んでおらず、街らしい所は少なかったとのことです。主人公ルーシー・メイは姉のケイトと共に行動するとっても動物好きな女の子です。
折角開拓農民を夢見てきたのに、相応しい土地が見つからず苦悩するルーシー・メイの両親。とりあえず南オーストラリアのアデレードで小さな家を買い、住むことにします。ですが買った家もとても家族全員住める状態ではなく、増築したり、井戸を掘ったりするなどして生活することにしました。
そんな最中ルーシー・メイと姉のケイトはオーストラリアの沢山の珍しい動物を見ては感動します。コアラ、カンガルー、かものはし、笑いかわせみなど…イギリスでは全然見かけることのなかった動物ばかりです。
オーストラリアにはディンゴと言うオオカミの親戚みたいな凶暴な動物がいました。ディンゴは羊ややぎなどの家畜を狙う恐ろしい生き物です。でも狩りをしていた男性により母親ディンゴが撃ち殺され、子供のディンゴをルーシー・メイは見つけて育てることにします。
両親は最初は猛反対でしたが、ルーシー・メイが一生懸命子供のディンゴを調教したため、やがて大人になっても野生の凶暴さは出ることなく、ポップル家の大事な一員になりました。名前は「リトル」と名付けられました。
ある日、ポップル一家に転機が訪れます。やっと土地が手に入るチャンスが巡ってきました。しかしリトルが近所のペティエルの犬ハッピーと喧嘩し、リトルがかみ殺したのを恨んで先回りして高額で土地を買い取ってしまいました。
元々ハッピーが悪いのです。ポップル家の家畜を何度も襲っていましたから。それをきっかけに父親は希望をすっかり失ってしまいます。
オーストラリアに来て2年後。全然農民開拓の夢がかなわぬまま月日が流れました。失意の父親は何とか生計を立てようと本業のお百姓以外の仕事をします。長男のベンは税関の仕事、長女クララはパン屋で働き、母親は家の中の小さな畑を耕しては農作物を作っていました。ケイトは家の手伝い、ルーシー・メイと末っ子のトブは学校へ通うようになりました。
こんなに一生懸命一家が働いても生活はちっとも豊かになりません。その上運悪く父親は仕事先の工事現場で足を捻挫するけがをし、働けなくなってしまいます。そしてどんどんお金はなくなってしまいました。
生活出来るお金がなくなってしまった以上、家にあるものを売りに出す家族。でもルーシー・メイが一番大切にしていた羊を父親は競売にかけてしまいます。ルーシー・メイは悲しさのあまり、家出をし、アデレード橋で暴れ馬により頭を強く打って倒れてしまいます。
目が覚めた時はプリンストン家の御屋敷。でもルーシー・メイは何と記憶喪失になってしまいました。プリンストン夫人はそんな彼女を心配し、亡くした子供と重ね合わせてエミリーと呼ぶようになります。
その頃ポップル家は行方不明になったルーシー・メイを探すのに必死でした。リトルが飛び出してルーシー・メイを探しだし、その瞬間彼女は記憶を取り戻しました。
父親はルーシー・メイを助けてくれたプリンストン夫妻に感謝をします。一方のプリンストン夫妻もポップル家を気に入り、一度はルーシー・メイを養女にしたいと考えますが、彼女の家族思いの気持ちに魅かれて土地を無条件で譲渡し、やっと一家に農民開拓の夢がかなって新たな旅立ちをするということで物語は終わります。
ふしぎな島のフローネ!家族全員で力合わせて無人島で暮らす秘話とは
ふしぎな島のフローネは家族5人の無人島での冒険物語の感想を私は持っています。おてんばな少女フローネが、無人島でも挫けることなく、家族と力合わせて生きる姿が何とも印象的な作品だと思います。
主人公フローネはスイスのベルンで開業医師をする父親と看護助手の母親、兄のフランツ、弟のジャックと暮らしていました。オーストラリアから来た1通の手紙は父親の親友からのもので、オーストラリアには優秀な医者が足りないので来てくれないかとの誘いの内容でした。
最初は困惑する両親でしたが、家族全員で話し合った結果、オーストラリアへ渡る決意をし、住み慣れたスイスを後にして、オーストラリアへ向かう船に乗って旅に出ました。
船旅は最初は順調に進んでいましたが、大嵐に巻き込まれ、この状態は5日間続きました。船はついに座礁し、救命ボートで次々と非難する中、最後のボートにフローネ家族は乗れなくなり、取り残されてしまいます。一方船長の手助けをしていたフランツは海に落ちてあわかという時に船長に命綱を縛ってもらい、一命をとりとめます。ですが船長は大波にのまれてしまいました。
ようやく嵐がおさまって、フローネの父親は島があることに気づきます。座礁した船はいつ沈むかも分かりません。そこで家族で応急用のいかだを作り、船の中にいた動物や荷物をのせて家族5人、いかだで島を目指します。
家族5人無事に島に到着しますが、父親とフランツは2日間島の様子を見に探検に出かけます。島の一番高いところに登り着いた所で、この島は無人島だということがハッキリ分かりました。
残念なことに浜辺でフランツを助けた船長が亡くなったまま、打ち上げられていることも分かり、家族で船長を埋葬しました。
無人島には野生の危険な動物が沢山いました。オオカミなど恐ろしい猛獣がいるので、高い木の上に家を作って住んだり、ろうそくや砂糖工場、浜辺で塩を作るなど、家族で色々工夫して無人島での暮らしを少しでも住みやすい環境にしようと努力していた様子がうかがえます。
フローネの母親は元々農家の生まれでもあり、その知識が役に立って無人島で畑を耕して色々農作物を作るなど、お金がなくても食料には困らなかったようですね。ですが今まで都会で暮らしてきた人間がいきなりこんな無人島で色々知恵を出して生活していけるなんて何とも不思議な話です。
フローネの両親はよほど頭がよく、教養のある人だと感じました。
それにフローネ、フランツ、ジャックの3人の子どもたちの仲もとてもよく、無人島でも3人は挫けることなくちゃんと両親と一緒に前向きに生きていましたね。
それにフローネは兄と弟の真ん中のせいでしょうか、とてもおてんばで男の子っぽい一面があります。平気で逆立ちしたり、木登りはお手の物です。そんな母親はフローネを厳しく注意もしたりしますが、決して挫けない娘を見て、優しく見守ります。
物語の終盤で新たに2人の男性の漂流者が舞い込みます。モートン船長と少年タムタムです。モートンは最初はぶっきらぼうでしたが、何とか全員島から脱出出来るようにと色々知恵を絞ります。
そしてついに全員で船を完成させ、無人島を脱出します。
でも脱出はできたものの、航海中に苦しい状況に全員追い込まれます。持ってきた食料、飲み水が底をつき、最早命さえ危険な状況になりました。でもやはりモートンは船に関しては詳しく、はちみつをフローネに食べさせて全員の命を救いました。
3週間後船はオーストラリアへ到着。全員久しぶりに人間らしい生活に戻ることが出来ました。フローネとその家族は無人島での体験で大きく成長したと言えます。
トム・ソーヤの冒険!腕白少年トムとその仲間の愉快で楽しい冒険って
トム・ソーヤーの冒険は有名な作家「マーク・ツゥエイン」の作品です。主人公のトムはとても腕白な少年で、愉快な仲間とイタズラや冒険など楽しいことを自分たちで考える素晴らしい才能の持ち主です。
トムは弟のシッドと叔母のポリーおばさんの所に暮らしています。トム兄弟は早くに両親を亡くし、母方の妹にあたるポリーが2人を育てています。でもトムの日頃のあまりのイタズラぶりに手を焼くポリーおばさんですが、実の母親の様に愛情を持って接しています。
トムはいたずらで腕白ぶりを発揮してる割には、学校では人気者で、同級生のベン、ジョー、ジェフ、アルフレッドなど沢山の仲良しがいます。それに女の子にもてる一面もあります。
特にエミーやベッキーとは大の仲良し。どちらかというとベッキーの方がトムは好きですね。ベッキーはセントルイスから引っ越してきた転校生で、トムは彼女に一目ぼれをし、それ以降2人は行動を共にするようになりました。
特にトムの親友はハックル・ベリィ・フィンです。通称ハックと呼ばれるこの少年ですが、母親を亡くし、父親に捨てられてからは1人気ままに学校へも行かず、「風来坊」として木の上に家を作って暮らしています。
世間の人々はそんなハックを「宿無し」と呼び、嫌っています。でもトムはそんなハックの良さを見出し、常に親友として接しています。
トム、ハックと仲間たちの冒険は楽しいことばかりの連続です。トムはアメリカのミシシッピー川のセントピーターズバーグと言われるのんびりとした田舎に住んでおり、海賊ごっこをして遊んだり、ミシシッピー川沿いの無人島へハック、ベンといかだを作って家出同然で泊まり込んでいくなどなかなか勇気のある一面を持っています。
ですからいつも騒ぎの元を作るトムに、担任のドビンズ先生は彼を叱ってばかりいます。それにむち打ちをするので、トムのお尻は真っ赤に腫れ上がってしまいます。(笑)これが現実だと完全に体罰であり、学校では大問題になりますね。
トムの身近には嫌われ者が2人います。インディアンのインジャン・ジョーと酔っぱらいのマフ・ポッターです。特にインジャンは街の人々から恐れられている人物であり、トムやハックも何度もインジャンと顔を合わせています。
トムとハックは深夜、墓場の中を歩き回るなどいささか子供にしては大胆な行動することもありますが、そこでとんでもないシーンを2人は目撃してしまいます。インジャン・ジョーが若い医師をナイフで刺殺してしまうのです。そこにはマフ・ポッターもいましたが、すでに酔っぱらっていて、意識がなく、インジャンは酔い潰れたマフを餌にして、彼に殺人の罪をきせてしまいます。
意識を取り戻したマフは、インジャンの罠にはまり、酔った勢いで若い医者を刺したと言われてしまい、彼は覚えがないのに自分が殺したと思いこんでしまいます。
殺人現場を目撃したトムとハックは余りの恐ろしさに体が硬直して、すっかり錯乱状態になってしまいました。そして2人でこのことは見なかったことにしようと誓いを立てますが…!!
でも腕白でイタズラばかりしているトムですが、やはり芯は優しい男の子。どうしてもマフを殺人犯のままにしておくのは何とも残酷だと心を痛めます。
裁判の日、マフに罪を着せたインジャンが証人として法廷に現れます。トムは最初はインジャンに皆の前で真実を告げると今度は自分に危険が及ぶのではないか、と恐怖感で一杯でしたが勇気を振り絞ってマフの無実を証言、インジャンの前で「真犯人はお前だ!」と叫びました。
これはトムやハックにとって一番危険な冒険だと感じました。でもトムの勇気ある優しさが見えました。
ニルスのふしぎな旅!小さくなったニルスと鳥たちの旅路の友情秘話
ニルスのふしぎな旅はNHKで放送されました。ニルスはスェーデンのスコーネ地方に住むイタズラな少年です。いつも家畜をイジメて遊んでばかりいて、学校や勉強、家の手伝いなど大嫌いでした。そんなニルスを両親は心配しているのですが、ニルスは両親のそんな思いなど完全無視、いつも自分のしたい放題の日々をおくっていました。
両親が教会へ出かけている最中に、ニルスは聖書を読みながら眠ってしまいます。その時、大きな箱の中から不思議な妖精が現れて、目を覚ましたニルスは妖精を捕まえます。妖精が金貨をあげるから助けてほしいというと、ニルスは妖精の出した金貨を受け取ります。ですが欲張り心が芽生えたニルスは妖精を逃がすことをしませんでした。
怒った妖精はニルスに魔法でおしおきをします。ニルスの手をたたいて体をみるみる小さくしてしまいました。この時、ハムスターのキャロットも一緒に小さくされてしまいました。
小さくされたニルスを見て、家畜たちはここぞとばかりに仕返しをしますが、そこで渡り鳥のガンの群れが現れて飛べないにわとりやがちょうをからかいます。でもプライドの高いがちょうのモルテンは、飛べるようになりたい!と前々から思っており、ガンの群れを追って飛び上がりました。その調子に合わせるかのように、ニルスとキャロットもモルテンに飛び乗ります。
ここからニルスの人間界を離れたガンの群れとの不思議な旅が始まります。そしてモルテンやキャロット、ガンの群れと友情が芽生えるようになります。ニルスは小さくされてから動物の言葉が分かる様になり、旅の途中で出会う様々な動物たちと交流を深めます。
例えガンの群れであっても1人勝手なことは絶対に許されない、1人で生きて行くことは絶対にできないなど、ニルスは色々学んでいきます。ガンの群れの隊長・アッカは動物界の中で尊敬されているガンです。アッカは自然界の厳しさをニルスに教える先生でもあるんですね。
意地悪キツネのレックスは、いつもおなかをすかせている模様で、狙った獲物をニルスが逃がしてしまうので、それ以来しつこく追いかけるようになります。
でもレックスはいつも失敗の連続でニルスには勝てませんでした。意地悪キツネだけど、どこか憎めないのが脇役のいいところでもあります。
旅の途中でモルテンはめすのガンのダンフィンと出会い、恋に落ちます。ダンフィンのいた群れは人間に銃で撃たれて殆ど死んでしまい、その後はアッカ率いる群れに新しく加わります。
その時、ニルスは初めて人間がいかに動物を傷つけているのかを実感し、心を痛めるようになります。自然界で生きて行くためにはお互いが思いやりを持たなければ…またここでニルスは大きく成長していきます。
ガンの群れは長旅を終えてラプランドに到着します。ラプランドは鳥の楽園・故郷と呼ばれる美しい国で、ここで鳥たちは結婚して巣作りを始めます。そして卵を産み、ひながかえると3か月間鳥たちの子育てをします。その後またスコーネへ戻ります。
ニルスはスコーネが近くなると段々不安になってきました。妖精の魔法はとけるのか?と。でも隊長アッカの妖精から聞いた話は魔法をとくにはモルテンの命が必要だと告げられます。
苦しむニルスでしたが、とりあえず家の様子を見に行き、両親にひそかに別れを告げようとしていたその時です!モルテンまで来てしまい、運悪く父親に捕まり殺されそうになります。
思わず「殺さないで!」と飛び出したニルスは母親の開けるドアと同時に魔法がとけて元の大きさに戻ることが出来ました。妖精曰く「ニルスの心の成長が魔法をとかす結果になった。」と。
そしてガンの群れと別れました。
赤毛のアン!想像力豊かなアンが巻き起こす愉快なストーリーって?
皆さんは赤毛の女の子を実際に見たことはありますか?多分赤毛の女の子は実在しないのではないかと思います。
でもカナダのプリンスエドワード島が舞台になった赤毛のアンは、とてもファンタジックな物語だと私は思います。このアン自身も実はみなしごで、あちこちに引き取られたり、孤児院で育てられた時期などありましたが、持ち前の明るさと想像力で周囲の人間を虜にする魅力あふれた少女です。
独身を通してきた変わり者の兄妹、マシュウとマリラ。そろそろ兄のマシュウが年老いてきたので、手伝いのできる男の子を孤児院から引き取るために、スペンサー夫人に頼みます。でもどうした手違いからか、やってきたのは髪が赤くてそばかすらだけの女の子アンでした。
「女の子など必要ない!」とマリラは言いますが、マシュウはアンを一度で気に入り、またアンもマシュウとマリラの住むグリーンゲイブルズに魅かれて住みたがります。男の子が欲しいと思っていたマリラも、一度はアンを孤児院へ送り返そうかと考えましたが、アンのおしゃべりや想像力にすっかり聞きほれて引き取ることにしました。
マシュウ、マリラの近所に住むレイチェル・リンド夫人とアンの初対面のシーンはとても笑えて見ものでした。リンド夫人のアンに対する印象が「器量が悪いんだね。」ともろに言われてアンはかんしゃくを起こします。「あんたなんか大嫌いだわ!」
アンの巻き起こす愉快なストーリーはここから始まります。オーチャードスロープに住む女の子、ダイアナ・バーリーとは「心の友」として永遠の誓いをたてます。そして勉学上のライバルとなるハンサムな少年ギルバート・ブライスには髪の毛を「にんじん」とかわかわれ、アンは「卑怯者!」と石板でギルバートの頭をたたきます。
それからのアンはギルバートを許さず、避け続けるようになりました。アンが10歳だった頃の時代、女性の間では「ふくらみ袖」が流行し、アンもその服に強くあこがれていました。でもマリラはアンを育てるにあたり、そんな風船みたいな服は必要ない!と躾の意味で与えることはしませんでした。
アンは想像力が豊かな女の子ですから、現実に「ふくらみ袖」が着られなくても万事頭の中で着ているつもりになり、一度ねだった後はもう欲しいとは言わなくなりました。
アンがアボンリーに来てからというもの、珍事件がどんどん起こります。お茶にダイアナを招待し、いちご水を飲ませたつもりが間違えて葡萄酒を飲ませてしまい、その誤解からダイアナの母親から絶交を言い渡されます。ですがその後ダイアナの妹の病気の看病の仕方を知っていたおかげで、アンが本当に葡萄酒を飲ませたんじゃないといった誤解は晴らすことができました。
それから牧師夫妻をお茶に招いた時、またまたアンは失敗をします。それは手作りのケーキにバニラエッセンスを入れるつもりが痛み止めの塗り薬を間違えて入れてしまい、そのケーキを牧師の奥さんが食べた時に発覚します。
アンは常に自分の髪が赤いことにコンプレックスを感じていました。マリラの留守中に行商人が来て、髪染めを見せてもらい、「これを使えばカラスの濡れ羽色になる」の言葉を信じ、いざ染めるととんでもない緑色に染まったり…!!
結構アンはおっちょこちょいな面が多々あることが分かりました。でもアンは勉学に置いてはいつも優等生で、クイーン学院受験ではライバルのギルバートと同時に1位になる実績を残しています。
そして猛勉強の末、学校の先生になりました。アンはマシュウとマリラの深い愛情を受けながら素敵な女性へと成長していきました。
ペリーヌ物語!母の残した言葉を胸に前向きに生きるペリーヌの人生
ペリーヌ物語でカルピスがスポンサー最後の作品となります。主人公のペリーヌは両親と一緒に祖父の住むフランスのパリから遠く離れた「マロクール村」に向かう旅をしていました。ペリーヌと両親は最初インドのダッカで暮らしていましたが、ペリーヌの父・エドモンが仕事に失敗したため、3人で祖父のいるフランスへ帰る決断をしたというものです。
途中父・エドモンは肺炎を患い、ボスニアで亡くなってしまいました。悲しみに暮れる母・マリとペリーヌでしたが、エドモンの葬儀を終えた後、2人でフランスへ向かう旅をすることになりました。女2人だけの旅は何かと不安だらけです。
それでも2人は力を合わせてエドモンの遺志をついで写真撮影の商売をしながら遠く離れたフランスを夢見て旅を続けます。ロバのパリカールと犬のバロンが2人にとっては大切な存在でした。
クロアチア、イタリアまでは何とか順調に着たものの、スイスに入ると険しい山越えがあったのです。これはどう見ても女2人ではとても出来ないですね。馬車を素手で動かしたり、後ろから押したりととても対処できるものではありません。
でも運よく通った男性の手により、アルプス超えを無事終えますが、母・マリは長期間の旅の疲れから、持病の心臓病が悪化してフランスに入ったころにはもう寝たきり状態になってしまいました。
ペリーヌは母・マリのためにしばらくパリにとどまることにしました。医者に診察してもらったり、薬代のことも有り、手持ちのお金はたちまち底をついてしまいました。ペリーヌ母娘は仕方なく、自分たちの所持品を売り、ついに最後には旅を共にしてきたロバのパリカールまで売ってしまいました。最低限の生活費の工面さえ、大変だったのですね。
もう自分の命が長くないと察したマリはペリーヌに1人で祖父のところへ行くように命じます。そして本当は祖父に反対されて結婚したこと、フランスに行ってもし孫など名乗っても祖父はペリーヌを歓迎しないかもしれないと全てを打ち明け、最後には「人に愛されるにはまず自分から人を愛しなさい。」と言い残してマリは亡くなりました。
ペリーヌはとうとう1人ぽっちになってしまい、母・マリの葬儀を終えた後、親切にしてくれた人たちに別れを告げ、パリを後にしました。ペリーヌのマロクールへの一人旅が始まりました。愛犬のバロンと共に徒歩約150キロです。
そしてとうとう苦しい旅は終わりを告げて、ペリーヌは父・エドモンのふるさとマロクールに到着しました。でも「おじいさまは私を歓迎してくれない。」ということで、すぐには祖父のところへはいかず、偽名「オーレリィ」を使って織物工場で働くことにしました。
少ない賃金で節約できる所は全部節約し、小さな小屋で1人暮らしをするペリーヌは本当に賢い少女何だってことがよくわかりました。
突然工場で仕事をしていたペリーヌに通訳の仕事が舞い込み、そこでペリーヌは初めておじいさんと話をすることが出来ました。通訳の仕事ぶりを見て、おじいさんのビルフランはペリーヌを孫とも知らず、「利口な娘だ。」と気にいるようになります。
ペリーヌにますます信頼を寄せたビルフランは自分の御屋敷にペリーヌを住まわせます。
そんな折、ビルフランは息子のエドモンの消息を弁護士を通じて探していました。ですが生きていると信じていたのに、すでに亡くなっていた!ビルフランは悲しみに暮れてしまいます。そんな悲しい祖父の姿をペリーヌは優しく見守ります。
お母さんの遺言通り心からおじいさんを愛していました。ビルフランはもしかしたらこのオーレリイが孫ではないか?と察するようになり、弁護士を通じて調査した結果その通りになりました。完全なハッピーエンドです!
あらいぐまラスカル!主人公スターリングとラスカルの心温まる友情
物語の舞台はアメリカ。ブレルスフォードと呼ばれる小さな町で大都会ミルウォーキーから汽車で約4時間の所に住む動物好きな少年とあらいぐまの友情物語です。
あらいぐまラスカルのこの「ラスカル」はいたずらっ子という意味があるそうです。主人公のスターリングが親友のオスカーとウエントワースの森であらいぐまの親子を見つけたところから物語はスタートします。
心無いハンターにより母親のあらいぐまは殺され、残された小さな子供のあらいぐまを抱き上げてスターリングは育てようと試みます。オスカーのお母さんにあらいぐまの育て方を教わり、スターリングの新しい友達育てが始まります。
庭の樫の木をラスカルの家にし、スターリングは心の底からかわいがります。その他カラスのポーやスカンクなども飼っていたスターリングですが、近所の人たちは快く思っていません。とりあえずスカンクは仕方なく森に逃がしてやりました。
ラスカルを見つけた時、スターリングのお母さんはミルウォーキーの病院に入院中でした。お母さんが退院後、しばらくはラスカルとお母さんと楽しい時間を過ごしますが、お母さんは不治の病に侵され、途中で他界してしまいました。
大好きなお母さんが亡くなって悲しむスターリングでしたが、今後彼にとってラスカルは大きな存在になっていくのです。「僕の親友ラスカルだよ。」と皆に紹介します。
かわいいガールフレンドのアリスと親しくなり、夏休みにノーザネイルのホテルに遊びに行き、スターリングとアリスは野生の動物たちと触れ合うことが出来ました。スターリングは動物だって人間と同じように心があるんだから必ず仲良しになれることを常に信じていました。
しかしラスカルは所詮野生の動物です。近所のトウモロコシ畑などをさんざん荒らして、ついに近所の人たちの怒りをかってしまいました。一度は森に帰すことも考えたスターリングでしたが、自分を慕ってくるラスカルを見ているとどうしても離れることなど到底無理でした。
周囲の意見もあり、畑を荒らすラスカルに対してスターリングは心を鬼にして、檻を作る羽目になりました。動物園の動物の様にラスカルを1日中檻に閉じ込めるなんてとても出来ないのがスターリングの本音です。でも檻を作らないとラスカルは殺されてしまいます。ですから涙を呑んで檻にラスカルを入れて飼うことにしました。
それに首輪も必要となり、これでは犬と同じではないかとスターリングはみじめな気持ちで悲しくなりました。本当に優しい少年ですね。
でもラスカルはすぐに他の動物と仲良しになる才能があるんですね。隣りの家の馬のドニイブルックやノーザネイルのホテルでは犬のチンジャー、あらいぐまのエリザベスとその子供、鹿の親子などなど、本当に友達が沢山出来ました。
でもやっぱりみなしごになった自分を育ててくれたスターリングが一番の親友です、ラスカルにとって。例え檻に閉じ込められても、ラスカルはスターリングを信じ、またスターリングもラスカルを信じています。
それからオスカーやアリスとも仲良しですね、ラスカルは。
スターリングはカヌーを作ることを計画します。自分の作ったカヌーでラスカルを乗せたいと思ったからです。でもその最中にスターリングのお父さんの経営してきた2つの牧場が台風で全滅となり、結果的には事業に失敗し、スターリングは住み慣れた家を出る羽目になりました。
そしてカヌーは完成し、大人になったラスカルを野生に戻すことに決めてミルウォーキーへ引っ越す前日、親友として共にしてきたラスカルをカヌーに乗せて森に放し、別れを告げました。
動物愛を学んだアニメでした。
母をたずねて三千里!マルコ少年の長い旅路の距離は1万2千キロ!
母をたずねて三千里はイタリアと南アメリカのアルゼンチンが舞台となった作品です。主人公マルコの母・アンナが父・ピエトロの経営する診療所の借金返済のためにアルゼンチンへ出稼ぎに出るという形で物語はスタートします。
マルコが生活していた時代はとても不景気だった模様で、とても近所でいい働き口はなかったと言われています。ですから外国へ移民したり、出稼ぎしないと大きな収入は期待できないと言ってもいいでしょう。
マルコの父・ピエトロは貧乏人でも診察してもらえる診療所を経営している事務長です。ですがとんでもない人物に騙されてお金を根こそぎ取られてしまい、借金だけが残ってしまう事態を迎えてしまうのです。
ですが事務長である限り、借金返済のためには妻の力が必要だということで、アルゼンチンで事業に成功した親戚を頼りに出稼ぎに出る提案をします。兄のトニオはこの事態をすぐに聞き分けましたが、まだ幼いマルコには理解できないだろうと前日まで黙っておいて、家族でピクニックに出かけるのです。
ピクニックで楽しい1日を過ごした後に、近所のおばさんから「あんたのお母さんはアルゼンチンへ行ってしまうんだよ!」と告げられ、号泣。次の日、アンナが船で旅立ってしまい、マルコは悲しみのあまり、「お母さん行かないで!」と走ります。でも無情にもアンナを乗せた船はアルゼンチンへ行ってしまいました。
それから数年が立って、お母さんから順調に便りが届いていたはずなのに、ある日突然お母さんからの手紙が途絶えてしまいました。お母さんは病気なのでは?と心配するマルコ。何とかお父さんを説得しようと試みますが、お父さんは猛反対。仕方なくマルコは密航しますが、これもすぐに見つかってしまい、失敗。
でも息子マルコの固い決心を感じ取ったお父さんはマルコのアルゼンチン行きを許します。兄・トニオが置いて行った子ザルのアメデオと一緒にマルコの長い旅が始まります。お母さんに会える!マルコの心はもうアルゼンチンへと飛んでいきます。
途中大きな嵐にあいながらも、船はアルゼンチンの首都・ブエノスアイレスへ到着。でも運悪くマルコは持ち金をスリによって盗まれてしまいます。ひどい話です。途方に暮れるマルコでしたが、イタリアにいたころ仲良しになったベッピーノ一座と無事に再会することができ、見ていた自分自身もㇹっとしました。
ですが、母・アンナが頼っていた親戚は事業に失敗してバイアブランカに隠れているのではないか?という情報があり、そしてベッピーノ一座と共に馬車で20日間かかると言われるバイアブランカへ行くことになりました。
苦しい旅路の末、何とかバイアブランカに着きますが、やはりお母さんは行方不明。自暴自棄になるマルコですが、ひょんなことから妙な人物に会います。その男性はマルコの親戚のことを知っていると言い、偽名を使ってお母さんの居所を告げます。
ですがその男性こそマルコの親戚に当たる当人で、だまし続け、お母さんの手紙も送ることが出来ずに隠していたことが後で判明しました。
そこから更にマルコの果てしない母探しは続きます。バイアブランカ~ブエノスアイレス~ロサリオ~コルドバ~ツクマン。
特にコルドバからツクマンへの旅は苦しく辛い日々でした。高熱で倒れたり、足を怪我したりと不運なことばかり続きました。
それでもマルコはお母さんのいる所へ走ります!そして苦心の末お母さんとの再会を果たすのです。
マルコの長い旅は三千里と言われますが、一里が4キロですので合計1万2キロとなります。これは想像もつきません。現実4キロ歩くとすごくヘロヘロになりますが。
人間そんな長距離旅不可能です。
フランダースの犬!主人公ネロの過酷で悲劇的な最後とは?
フランダースの犬はベルギーのフランダース地方が舞台です。今ベルギーのアントワープにこの国の主人公ネロと愛犬のパトラッシュの銅像が建てられているとのことです。地元ではこの物語にいかに人気があったことが分かります。
世界名作劇場初の少年が主人公です。ネロは早くに両親を亡くし、母方の祖父に当たるジェハンじいさんと2人暮らしをしていました。ネロは小さいながらもしっかりした性格で、ジェハンじいさんを助けて毎日アントワープまで徒歩で牛乳運びの仕事をしていました。
そんな時に出会った1匹の犬。金物屋に酷使されていたパトラッシュです。ネロはそんなパトラッシュを心配していましたが、金物屋にひどい仕打ちをされてきたため、とうとう捨てられてしまい、そこでネロが助けたため、パトラッシュとの友情が芽生え始めました。
例え貧しくてもパトラッシュにとってネロやジェハンじいさんとの生活の方が幸せでした。助けてもらった恩返しにパトラッシュは牛乳運びの手伝いをかって出ます。最初はネロやジェハンじいさんは反対しましたが、パトラッシュの熱意に根負けして一緒に働くようになりました。りこうな犬ですね、パトラッシュは!
ネロにはとても仲良しの幼馴染のアロアがいます。アロアはネロが大好きで、いつもネロが仕事を終えて帰ってくるとお決まりの木の下でネロと遊びます。ネロも勿論アロアが大好きです。いつもネロとアロアは一緒に遊ぶ習慣があり、その上パトラッシュが加わったことによりますます仲良くなっていきました。
でもアロアの父親・コゼツはネロとアロアが仲良しなのを快く思っていません。何故かというとアロアは村一番の大富豪でお嬢様であり、貧しい子どもと自分の娘が仲良しなのを恥だと思っていたからです。いわゆる世間体を気にしていたのでしょうね。
ですから無理やりネロとアロアの仲を引き裂いては、会えないようにするためにアロアを一時的にイギリスの親戚のところへ預けたりと何とも大人都合のやり方で子供の気持ちなど一切無視していた一面が見られます。
大昔は身分で人間を差別していた傾向にあったことがよくわかります。貧乏人は常にお金持ちにペコペコしていて、土地や家を借りて生活をしていました。同じ人間なのにどうしてこんなに差があるのかって、悲観的になることを感じさせられましたね。
特にフランダースの犬では怒りを覚えるシーンが多すぎます。ネロの家の大家であるハンスはとても意地悪で、アロアの父親のコゼツにだけはいつも愛想よくしてましたが、それ以外の人間には威張りちらして、特にネロに対しては意地悪の仕方が半端じゃありませんでした。
自分に何か不都合が生じるといつもネロに罪を着せるのがハンスの陰湿なやり方です。ですからハンスはコゼツの使用人ですので、いつもコゼツはハンスの言葉を鵜呑みにしてはネロに対してますますつらく当たっていったんですね。
ハンスは貧しいネロやジェハンじいさんに対して様々な嫌味を発してます。これは現代で言う完全なイジメです。
ジェハンじいさん亡き後、ネロにはますます辛いことが降りかかってきます。心を込めて出品した絵が落選し、その上ハンスの言葉から村人たちに風車小屋の放火犯人にされてしまいます。
その上牛乳運びの仕事まで失ってしまう事態になり、ネロはもう生きて行く気力を失います。クリスマスの夜、風車小屋職人の証言によってネロの放火の疑いは晴れ、コゼツもハンスもネロに対して改心するようになりますが、時すでに遅く、ネロとパトラッシュは教会のルーベンスを2つの絵を見て、感激し、飢えと寒さで息絶えてしまいました。
何とも悲しい結末です。
アルプスの少女ハイジ!ハイジとクララの自然の中での友情物語!
アルプスの少女ハイジは皆さんよく知ってらっしゃるのではないでしょうか?主人公ハイジがスイスのアルプスの自然の中でヤギや犬のヨーゼフ、やぎかいのペーター、そして何よりもハイジが頼りにしているおじいさんなど、周囲の暖かい愛情に包まれながら元気に成長していくお話です。
5歳で両親と死別したハイジは叔母のデーテに連れられて、祖父のアルムおんじの所に預けられます。最初は気難しいアルムおんじも、ハイジの元気で健気な姿を見て、心惹かれてすぐに仲良くなります。まさしくおじいさんと孫娘の仲の良さを強調しています。
そしてやぎかいのペーターややぎのゆきちゃんともすぐに仲良くなり、ハイジはアルプスの自然の素晴らしさにひかれてすぐに山の生活に馴染んでいきます。
山の牧場へ毎日登るハイジとペーターですが、ペーターの面白い所はお椀を使わないでやぎの乳を飲むシーンです。ヤギの下に寝転がって口を大きく開けて飲むシーンは何ともペーターの性格を現しています。
でもペーターはやはりやぎかいとあって、とても頼りになる男の子です。口笛で全部のやぎを集めたり、ハイジが危険にさらされそうになった時にはとっさに助けたりととてもたくましい一面を持っています。
それから村では嫌われ者のアルムおんじことおじいさん。おじいさんは長い事山での生活に慣れてるせいか、山登りも仕事もそつなくこなします。そしてヤギの乳でチーズを作ったり、木材で食器や家具を作るなど、大工の腕前も大したものです。ですからハイジにとっては一番頼りがいのある人になりますね。
ですが山での楽しい生活の最中に叔母のデーテが再度やってきて、おじいさんとハイジの仲を無理やり裂くように大都会フランクフルトへハイジを連れていってしまいました。ハイジは山での生活から一変して、都会での生活を強いられる羽目になり、そこから辛い生活が始まりました。
ゼーゼマン家の大富豪の娘、クララとの出会いはハイジにとっては新しい友達となりましたが、執事のロッテンマイヤーさんは行儀作法にとても厳しく、何も知らないハイジに対してことごとくつらく当たります。
このシーンを見ててつくづく思うのですが、現代では「虐待」?に当たるのではないかと思われる所が沢山あります。例えばハイジが大切にしていたおじいさんから貰った帽子を取り上げたり、自分が猫が嫌いだからと言って、ハイジの気持ちを完全に無視して捨てさせるなど本当に理不尽なことが多すぎます。これでは人間不信になってもおかしくありません。
そしてクララのお父さんやおばあさまとの接触でハイジの辛さも和らいだ感じはしたものの、再び山への思いがハイジを募らせ、またまたロッテンマイヤーさんの言葉ない命令でとうとう病気にしまうハイジですが、クララのお父さんやお医者さんの機転でハイジはまたアルプスへと帰っていくことが出来ました!
そして今度はクララがハイジの山へやってきました。クララはアルプスの自然にすっかり虜になり、山ではしゃぐハイジやペーターを見ていて、自分が歩けないことに悲しみを感じました。でも山での暮らしがクララをどんどん元気にしていき、おじいさんの提案で歩く練習を始める運びとなりました。
最初は歩くことに躊躇していたクララでしたが、ハイジやおじいさん、ペーターの協力により、練習を始めました。特にハイジはクララを1日でも早く歩くようになってもらいたい!と一生懸命サポートしていたシーンが多く見られました。
そしてクララが歩けるようになった時にハイジは自分のことの様に喜びました。まさしくこれは自然の中でのハイジとクララの友情の賜物と言えます。