少年スターリングは動物好き!どんな動物でも友達に思えるのは何故?

主人公のスターリングは物語の最初から動物を飼っていました。カラスのポー、スカンク4匹、犬のファウザーがいました。カラスのポーはスターリングも手を焼くほどの酷いいたずら者で、近所の教会に巣を作って、鳴き声も「アホー、アホー」とわめいては、牧師さんや周囲の人達を不快にさせたり、注意をさんざんさせられる始末でした。

犬のファウザーはその反対で、とてもノース家には頼りになる番犬です。それにとても頭がよく、スターリングや父のウイラード、母のエリザベスからはとてもかわいがられていました。

スカンク4匹については、イタズラ少年がラスカルを盗みだそうとファウザーに犬をけしかけましたが、あまりのファウザーの迫力に相手の犬は負けてしまい、スカンクに八つ当たりしてほえてしまい、それに驚いたスカンクたちが臭いおならをぶちかまして、たまたま教会で結婚式をあげていたカップルにも影響を及ぼしてしまい、式のやり直しをするといったトラブルが発生しました。

そのことに怒った近所のサーマンはスカンクを殺す!と言いだしましたが結局スターリングはスカンクが殺されるのはたまらなかったので、仕方なくウエントワースの森に逃がしてやりました。

スターリングはスカンクたちは逃がしてしまいましたが、ラスカルやカラスのポーはどんなに近所の人から何を言われようとも決して途中で捨てるようなことはしませんでした。

「何しろ僕の友達ですから。」この彼の言葉にはハッとするものがあります。スターリングはどんな動物でも人間同様、友達にしてしまうんですね。

では彼はどうしてどんな動物でも友達と思えるのでしょうか?やはりそれは彼の心の奥から動物を深く愛する気持ちがあるからではないでしょうか。

ラスカルを赤ちゃんの時から育てて、スターリングは常にラスカルを友達と思い、そしてついには「僕の親友」とまで周囲に言うようになります。そして本当にラスカルを心から愛して毎日共に過ごしていきます。

そんなラスカルもスターリングの優しい気持ちが伝わったのか、彼を信じ、なつくようになります。あの可愛さは本当に釘付けにされましたね。

しかしスターリングがどんなにラスカルやポーを友達だと思っても、肝心のラスカルとポーはどうも馬が合いません。スターリングが赤ちゃんだったラスカルを連れてきたときから何だかポーの様子がおかしかったのは気づいていました。スターリングがラスカルをあまり可愛がるので、やきもちを焼いていたんでしょうね。

それにスターリングは近所の馬のドニイブルックやアリスとノーザネイルのホテルに出かけた時に知りあった沢山の動物たちとも何の違和感もなく接します。やはり彼は根っからの動物愛護精神のある少年と言えましょう。きっとラスカル意外の動物でもひょいひょいと友達にしてしまうでしょうね。

でもやっぱりスターリングにとってラスカルはかけがえのない存在、親友です。檻に入れることになっても、彼は胸を痛めますが、ラスカル自身も決してスターリングが本心から自分を檻に閉じ込めたんじゃない、ということが分かったのか素直に入ることを受け入れています。

やはり動物は飼えば家族の一員です。ただ可愛いだけでは飼えないでしょう。人間と同じように愛情を持って飼うようにと、このアニメで教えてもらったとも言えます。

あらいぐまラスカル!原作者は実は主人公の名前だって知ってる?

あらいぐまラスカルは世界名作劇場の中では、現在でも人気を誇っている作品と言えます。主人公の少年スターリングと野生のあらいぐまラスカルが人間と動物を超えた友情物語を見事にアニメの中で当時の子供達に分かりやすく描かれているためだと思います。

ところで皆さんはこのアニメあらいぐまラスカルの原作者の名前をご存知でしょうか?他の名作劇場は有名な作家が多いですが、このあらいぐまラスカルだけは主人公の名前「スターリング・ノース」そのままです。しかも原作名も「はるかなるわがラスカル」であり、これは実話を元にアニメ化された、ということです。

登場人物も実名で挙げられており、特にスターリングの2人の姉のセオドラやジェシカは実在の人物です。しかし原作とは違うところがあります。実は原作ではスターリングには上に兄がいた、ということです。アニメでは兄は全然登場してませんね。

あくまで3人姉弟の設定になっていました。といいますのも、原作もアニメ版でもスターリングは末っ子であることには間違いありませんが、何しろ上の姉、兄とは年齢が離れていましたので、原作ではスターリングの兄は第一次世界大戦の兵士になり、早くに戦死してしまった、ということです。

やはり当時子供向けのアニメにしては、お兄さんが戦死していないというのは少し抵抗があるからといった配慮で、変更されたと言えます。

それからラスカルとの初めての出会いも原作とアニメでは大きな違いがあります。森の中であらいぐまを発見したのは同じですが、何処が違うのかといいますと原作ではスターリングは友人とあらいぐまの住処を掘って、強引に赤ちゃんあらいぐまを捕まえたとのことです。そしてアニメ版では母親のあらいぐまをハンターに撃ち殺されてしまった、この違いなんですね。

やはりアニメのスターリングは動物好きな心優しい少年ですから、原作そのままのスタートではとても好感を持てないことで、ここでも変更されています。

スターリングの住んでいたアメリカのミルウォーキーから離れたブレルスフォードも実在する土地名で、1910年代が物語になっていますので、当時としては実に田舎でのんびりしたムードの漂う暮らしをしていたのがうかがえます。

アニメの中でラスカルは檻に入れられる前は、庭に自由に放し飼いにされてましたし、各家には必ず玄関、裏口がありました。スターリングの家もちゃんと玄関と裏口がありました。彼の友達などは、玄関からではなく、裏口から入るのが当たり前となっていたくらいです。

夜寝るシーンでも、スターリングは家のカギをかけている様子など見かけませんでした。今の日本じゃ考えられません。簡単に泥棒や強盗に入られてしまいます。でもスターリングのいた田舎は治安が実によくて生活しやすい所であったことが浮き彫りにされているのがよくわかりました。

原作のスターリングは実際にラスカルを飼っていたわけですから、勿論可愛がっていたわけです。でもラスカルとの別れのシーンでも原作とアニメでは大きな違いがあります。

アニメではスターリングの父親の経営する牧場が台風で全滅し、事業の立て直しにも失敗したので、只1つ残された農場で働く父が住み慣れた家を手放したことにより、スターリングは姉の家に引っ越すためにラスカルを野生に戻す決心をして別れています。

原作では動物嫌いの家政婦が来るので、(アニメではハケットさんがモデル。でも原作では登場なし)檻に入れるくらいだったら野生に戻したほうがいいと考えて、ラスカルと別れています。

只原作、アニメと同じなのはカヌーにラスカルを乗せて湖で放す、という点です。実話でも変更点ありますね。

ネロの絵の才能の凄さ!ルーベンスに勝るとも劣らない理由とは?

ネロは絵を描くのが大好きな少年です。アニメの中で最初の方では、まき板に描くことが多かったネロでしたが、仲良しのアロアが古い帳簿をネロにあげた時から、ネロは紙で描く素晴らしさを覚えます。「紙ってとっても描きやすいんだ。」

でも貧しいネロにとって、紙は高級品なのです。アントワープの文具店で、お金持ちの少年が大量に画用紙を買っていく姿をネロは見かけます。

「あ~、あんな綺麗な画用紙に描いてみたいなぁ。」とネロは心の底から思うのです。絵心のあるネロは夜空にも、道にもとっさに思いついたことを絵にすることのできる少年なのです。

そんな時、木こりのミシェルの臨時の手伝いの仕事が入り、ネロは10日間ミシェルの手伝いをすることにしました。勿論綺麗な画用紙に絵を描くための費用稼ぎです。

10日間といえども、10歳の小さなネロにしてみれば、まきの木を背中にしょって運ぶ仕事は相当辛かったと言えます。ですがネロはきっと画用紙に素晴らしい絵を描くんだ!との強い思いから、挫けることなくこの仕事を達成させ、ミシェルから10日間の賃金を貰い、そのままパトラッシュとアントワープの文具店に向かいます。

閉店間際の文具店に入り、待望の画用紙を買うことが出来たネロ。もう感激の気持ちで一杯になり、次の日から画用紙に絵を描いてみようとしますが…? でも何故かネロは緊張して絵が描けませんでした。

でも丘の木の下でアロアが「描きたくなるまで待てばいいのよ!」そしてアロアが提案します。「一番最初に描くのはパトラッシュで、次が私よ!」と。そうするとネロの緊張は一気にほぐれ、画用紙にパトラッシュの姿を初めて絵にしていきます。

ネロはこれをさかえに様々な絵を画用紙に描いていきます。鳥、風車小屋、アロアなどなど。特に多かったのは、風車小屋の風景画だったといえます。ネロは風車小屋の見える風景が大好きだったのです。アロアは一時的にイギリスに行ってしまいますが、その間でもネロのことは決して忘れることなく、色チョーク(パステル)をネロにプレゼントしています。ですからネロはそのチョークで風車小屋の風景画に色付けしていましたが、見事な出来栄えでした。

アロアがイギリスから帰国後に、アントワープで絵画コンクールが行われることを知ったネロは早速挑戦してみようと試みます。ですがコンクールでは画用紙で出品することが出来ず、パネルでなければいけないことを知り、がっかりします。パネルを買う大金などない…でもネロの夢を叶えてあげたい一心からジェハンじいさんが働いて、ネロにパネルをプレゼントします。

ですがジェハンはその後他界しました。悲しみに負けることなく、ネロはコンクールの出品作品はジェハンじいさんとパトラッシュの絵姿に決め、執筆しました。「おじいさんとパトラッシュの優しい気持ちを絵にしたんだよ。今まで描いた絵の中で一番よく描けたと思うんだ。」完成後、ネロはジェハンのお墓の前でそう話しかけるのでした。

クリスマスイブの日、コンクールの審査ではなかなか1等賞が決まりませんでした。ネロとステファン(アントワープの大金持ちの少年)と競り合ってしました。ヘンドリックレイという画家だけはネロの絵を推薦しましたが、他の審査員の意見には勝てずネロの絵は落選してしまいました。

ヘンドリックレイによれば、ネロの画力はアントワープ生まれでも有名なルーベンスの後継者になりうる才能があり、引き取って教育すればルーベンス以上の画家になれるのではないか?とのことでした。

ネロは生まれながらの絵の才能の持ち主だったんですね!あんな悲しい結末がなければ彼は画家に確実になれたでしょう。

ネロとアロアはとっても仲良し!どうしてあんなに仲がいいの?

フランダースの犬の第2の主人公といえば、ネロの仲良しのアロアですね。2人はいつも一緒に楽しく遊ぶ友達同士です。その上、パトラッシュが加わってから余計に2人はますます仲良しになっていきました。

それにしてもネロとアロアってどうしてあんなに仲がいいのでしょうか?アニメの中でジェハンじいさんがアロアに思い出話をする場面があります。

ジェハンじいさんはネロを引き取った時にブラッケン村に引っ越してきて、その時アロアが生まれて、村中でアロア誕生の御祝いをしたとのことです。風車の上に旗をかけ、まだ2歳のネロも多分ジェハンじいさんに連れられて、村の人々と一緒にアロアが生まれたお祝いに参加してたかもしれません。(これは私の推測です。)

するとアロアが「そう、じゃあ私が生まれたと同時にネロがこの村へ来たのね。」と言います。ジェハンじいさんはアロアに対してもネロの大事な友達として、常に優しく接していました。まるで本当の孫娘の様に。

ですからアロアもジェハンじいさんが大好きでした。アロアはお金持ちのお嬢様であっても決して気取ることなく、心優しい女の子に成長しています。これは母親エリーナ譲りなのではないでしょうか?エリーナもネロのことを本当の子供の様に優しく見守ってますし、親切にも自分で作ったお菓子などをネロにあげています。

勿論ネロも「エリーナおばさん」と親しんでいます。

ネロとアロアは小さなカップルとも言えます。お互いのことを常に思いやっては気遣っていますし、そして信じています。まさに相思相愛です!

遊び場所はいつもお決まりの木の下です。約束事をしたり、ネロが絵を描くこと、そしてパトラッシュと走り回るのも同じ木の下です。この木の下から見る景色は何とも素晴らしい眺めで、ネロはいつも風車小屋の絵をここで描いていました。それを横から見るアロアとパトラッシュは興味深く思っていました。

そういえばアロアの誕生日にネロがアロアの絵を描いたのもお決まりの木の下でした。ですがこの後アロアの父・コゼツにネロは仕事もしないで怠けて絵を描いていたと誤解し、ネロからその絵を奪ってしまうという、何とも辛いことがありました。

その後アロアはネロと引き離されて遠いイギリスに行かされてしまいます。これは何とも痛ましく、仲良し同士がどうして会ってはいけないのか、ネロにはよくわかりませんでした。結局はコゼツの大人の都合のみでしでかした酷い仕打ちとも言えます。

結局アロアは病気でまた帰ってきますが、その原因がコゼツ自身にあるということは全然誰にも分かってはいませんでした。

ネロとパトラッシュと再会することによって、病気からみるみる快復するアロアはまた仲良く遊ぶようになれますが、いかんせんコゼツはネロを嫌っていたんですね。

その理由は「貧しい家の生まれだから。」余りにも単純すぎてお話にもなりません。同じ人間同士、同じ村に住んでいて仲良し禁止だなんて、コゼツもいささかわからずやな所があります。でも心優しいネロはコゼツを決して憎んだり恨んだりはしませんでした。

もし風車小屋の火事の放火犯にされることなく、コンクールの絵も1等賞になっていたら今頃ネロはコゼツから見直されて、大人になってからアロアと結婚できたかもしれません。

でもネロとパトラッシュの運命はラストになればなるほど、悲しみに向かっていきました。クリスマスイブの夜、アントワープの教会で一番見たかったルーベンスの絵を見た感激でパトラッシュと共に天国に旅だっていきました。

ネロの死後、アロアは数十年後、独身を通して修道女になりました。ネロを失った深い傷を抱えたまま…!!

牛乳運びの仕事をする前のジェハンじいさん!昔は何してた人?

ネロのたった1人の肉親、ジェハンじいさん。ネロの母方の祖父に当たります。性格は温厚そのもので、律儀で人情溢れるその人柄は顔の表情にも出ています。それに孫のネロの絵の才能を認め、いつか画家になりたいというネロの夢を叶えてやりたいと本当にネロにとってよき理解者でもあります。

ネロが幼いときにジェハンじいさんは娘を亡くし、その後すぐに娘婿も亡くなり、両親を相次いで亡くしてしまった可愛そうなネロをジェハンじいさんは引き取って両親の代理となりました。

ネロの面倒を見る傍ら、ジェハンじいさんは村の人の親切な計らいで、牛乳運びの仕事を始めて生計を立てるようになりました。ですが収入はわずかなもので、やっとパンとスープが飲める程度の貧しい暮らしでした。でも例え貧しくても、両親を亡くしたネロのために、ジェハンじいさんは一生懸命、孫育て、仕事をこなしていきます。

でもジェハンじいさんって昔から牛乳運びの仕事をしていたわけでもありません。では若い頃ジェハンじいさんってどんな職業だったのか、気になりませんか?

アニメの中で足を怪我した森の木こりのミシェルが、風車職人のノエルじいさんに対してジェハンじいさんの昔やっていたことを話すワンシーンがあります。「あのじいさん、若い頃軍隊に入ってたらしくてな。それでネロには一人前の仕事をさせたいと気にしてて…でなきゃ牛乳運びの仕事なんぞする人じゃない」と語っています。

ジェハンじいさんは、若い頃ミシェルの話によると軍人だということが判明しています。あの優しい人情味あふれるジェハンじいさんが昔軍人だったなんて何だか信じられません。

ジェハンじいさんの軍人時代だったことを詳しく紐解いてみると、ナポレオン戦争(1803年~1815年)が背景として浮き彫りになっています。こういった詳細はアニメでは一切触れてはいませんが、ジェハンじいさんは戦闘で受けた傷が原因で足が不自由となり、まともには歩けなかったということです。これは原作の内容です。

アニメではジェハンじいさんは普通に歩くことは出来、荷車を引いてアントワープまで約5~6キロの距離を毎日休むことなく、ネロと一緒に往復していました。

それに原作では、ジェハンじいさんは軍人を辞めた後大した定職につくことが出来なかった為、村人の親切心を受けて、牛乳運びの仕事を受け持つ運びとなったのです。もうこの時には両親を亡くしたネロがいましたので、どうしても孫を育てるためには老いた体を無理してでも働かなくてはなりません。

アニメ、原作共に共通してるのはジェハンじいさんは元々体が弱いことです。アニメでは心臓が弱くて発作を起こして倒れるシーンが後半ではよく見られました。ネロの夢を叶えるために無理を徹して野菜売り場の仕事をし、パネルを買う賃金を稼いでいました。

やはり貧しいジェハンじいさんは毎月の食費や家賃を払うのが精いっぱいの生活でしたので、画材用具などの高級品は手が届かず、それでも孫可愛さゆえに一生懸命働いてパネルを買って最後には病気が悪化し、亡くなってしまいました。

原作ではリューマチを患って亡くなっている、とのことです。でもジェハンじいさんは軍隊時代、医者の免許を持っており、ミシェルの捻挫の手当てをしたり、庭では自家製の薬草を在倍するなどなかなか器用な所があります。

なかなかジェハンじいさんは頭のいい人だということがよくわかりました。軍人を離れてから仕事に恵まれなかったジェハンじいさんにしてみれば、ネロにはせめて定職につかせてやりたい!その思いは誰よりも強かったでしょう。

フランダースの犬!パトラッシュに会う前のネロは幸福だった?

フランダースの犬の主人公・ネロは祖父のジェハンじいさんと幼いころから2人暮らしをしてきた心優しい貧しい少年です。ネロの両親は2歳の時亡くなり、それで母方の祖父ジェハンがネロを引き取ってアントワープから離れたブラッケン村に小さな家を借りて暮らすようになります。

でもネロは両親がいなくても、年齢の割にはしっかりしていて、毎日アントワープまで牛乳運びの仕事をするジェハンじいさんを助けます。

馬車で運べば楽に済みますが、貧しいネロとジェハンじいさんにはそんな余裕はなく、荷車で牛乳管4つを毎日休むことなく、アントワープまで徒歩で運んでいました。それで運んだ賃金を貰ってそれを生活費に充てていました。

祖父と2人暮らしであっても、ネロは絶対に人をうらやましがったり、憎んだりすることはありません。隣りのヌレットおばさんはネロの母親変わり、そして森の奥で木こりとして働くミシェルもまたネロを本当の息子の様にかわいがります。ですからネロは寂しいと思ったことは1度もありません。

アニメはパトラッシュとの出会いからストーリーは始まってますが、ところでネロはパトラッシュと出会う前は幸せだったのでしょうか?う~ん、やっぱり幸せだったのでしょうね。優しい祖父・ジェハンがいましたから。

心優しく、真面目な所もネロは祖父に似ています。幼いことから一生懸命働く祖父を見て、今度は自分が祖父を支えないと~とネロは考えるようになります。

牛乳運びの仕事は村人の親切でやらせてもらっている、とアニメの中でジェハンはネロに話してますがやはり学校へ行かせてやれないことがジェハンの最大の悩みでもありました。ですから自分のできる範囲でネロに読み書きを教えたり、最低限の行儀作法などは教えていました。

ですからネロはいつも朝早く牛乳運びの農業宅で「おはよう~おじさん!」と挨拶しています。あれはジェハンじいさんの孫を上手に育てた証です。

ある意味パトラッシュとの出会う前のネロは貧しくても幸福な生活を送っていたと言えますね。隣りのヌレットおばさんは何かとネロの世話を焼いてくれますし、アヒルのクロもネロのいい遊び相手です。

でも結局アヒルのクロはパトラッシュが現れてからはネロより、パトラッシュを友達に選びました。(笑)

アニメの中でジェハンじいさんが病の床に伏した時に、ネロの小さいころの回想シーンが出てきます。その時のジェハンじいさんの顔の表情はとても優しく、孫のネロを優しく見守りながら牛乳運びの仕事をして、育ててきた一面がうかがえます。

ですからネロは両親の愛情は受けられなかったものの、祖父の愛情をたっぷり受けて育ってきたので、貧しくても幸せだったのです。決して不幸ではなかったと言えます。

それに祖父の優しさをネロはちゃんと受け継いでいます。おじいさんと孫の絆はちゃんと描かれています。

それに木こりのミシェルの仕事を手伝ったり、病気のヌレットおばさんの看病をするなど、本当にネロは周囲の手助けもよくしています。

そういった充実した生活の中で、ネロはパトラッシュと出会ったのでしょうか。金物屋に酷使されていたパトラッシュを心配するなど、本当に心の優しさが伝わってきました。

パトラッシュが加わって生活するようになってから、何だかネロやジェハンじいさんの状態が変わりつつあるのを感じました。

それは意地悪な大家ハンスと、アロアの父・コゼツの態度です。2人はとにかく貧しいネロを嫌っており、パトラッシュを飼うなんてよっぽど景気がいいのか~と嫌味を言いました。

車いすの少女クララ!彼女の病気の内容が知りたい!

フランクフルトでも大金持ちと言われる大富豪の1人娘のクララですが、見た目は美しく、髪は金髪のロングヘア、頭には蝶のようなリボンをつけて、執事のロッテンマイヤーさんや召使など、なに不自由ない生活ができるお嬢様です。

ですが大富豪のお嬢様のクララは何故車いすに乗っていたのでしょうか?クララとの初対面でハイジが不思議そうに「あんた歩けないの?」と驚き、クララは「病気なの。」と詳しい病名までは明かされていません。

常に青白い顔をしていて食が細く、外出もできませんから、当然学校へは通えません。仕方なく家庭教師を呼んで毎日勉強をして、午後は昼寝をするのがクララの習慣でした。

お金持ちで何の心配もないはずのクララがどうして歩けないのか?その原因はアニメの中でははっきり明かされてはいません。元々体が弱くて歩けない、くらいにしか語られてません。

皆さん、クララがどうして足が不自由で歩けないのか、彼女は一体何の病気だったのか知りたいと思いませんか?もしかして「虚弱体質」でしょうか?食欲がなく、顔色が悪いといったことが原因ということで。でもそれでは何だかしっくりきませんね。

クララは小さいころから歩くことが出来ず、殆ど1日家の中で過ごすことが多く、外のことなど何も知りません。ですがハイジがフランクフルトに来てからのクララは徐々に様子が変わっていきます。

ハイジの話すアルプスの自然の素晴らしさに、クララは興味を持つようになります。そしておばあさまやハイジとピクニックへ森に出かけたクララは外出の素晴らしさに気づくようになります。

アニメではクララは小さいときに母親は亡くなったと語っていますが、原作で調べてみますと?何とクララの両親は離婚していたと分かりました。

母親が家を出るときに、クララは必死に追いかけたそうですが、その手を振りほどくかの様に母親は家を飛び出してしまったと言われています。そのショックでクララは歩けなくなってしまったのことです。クララ自身、母親に完全に見捨てられたとの強い思いから、「歩くことが出来ない。」といった感情が生まれて以後彼女は、歩くことが出来なくなってしまいました。

つまり現代で言うならば、母親に見捨てられた大きなストレスがクララの体に何かしら影響を及ぼし、神経症の1つとも言えます。ですからクララの体のどこかが具合が悪いということではなく、心の問題、病として身体疾患になったのでしょう。

悲観的になったクララが歩けないのは、もう私はだめなんだと自己暗示をかけていた可能性も否定できません。ですから正式な病名って言うのはクララにはないのかもしれません。

ストレスって言うのは本当に体のどこに出てもおかしくないっていいくらい厄介なものですね。ですからクララがハイジと出会えたのは本当に大きな収穫だったと言えます。

フランクフルトではハイジが来てくれたおかげでちっとも退屈することがない、と父に楽しそうに話す一面がありますし、ハイジが教会で猫をもらってきて、一緒に飼うなどした時には本当にクララは楽しそうでした。(後でロッテンマイヤーさんに発見されて捨てられたときは、悲しかったですね。)

その後山へ来たクララはどんどん元気になっていき、おんじに歩く練習を提案されます。最初は躊躇するクララも、ハイジ、おんじ、ペーターのサポートで苦しい練習を乗り越え、ついには歩けるようになります!

やはりクララも最初は「歩けない!」と諦める場面が何度もありましたが、ハイジやペーターの友情を感じつつも頑張り抜きました。

やはり心の病は周囲の暖かい励ましがあれば、本人の回復力も凄さを発揮することが分かりました!

ハイジがフランクフルトで患った病気の謎!夢遊病の正体とは?

ハイジは8歳の春、叔母のデーテにフランクフルトの遊び相手として、大富豪ゼーゼマン家に連れて行かれて、1人娘のクララと出会い、すぐに仲良しになります。ハイジが来たことで、クララは自分にもやっと友達が出来た!と大喜びしますが、一方のハイジはいきなり連れてこられたこの大都会のフランクフルトの生活には全然馴染めませんでした。

ハイジにとって、フランクフルトのクララでのお屋敷の生活は「籠の中の鳥」と同じでした。ですからクララが大切に飼っていたカナリアを山にいたころのピッチーと同じように考えて、籠から逃がしてしまうシーンがあります。ハイジに悪気はなくても、執事のロッテンマイヤーさんは地下室にハイジを閉じ込めるなど、とにかくハイジに対してはきつく当たってばかりいましたね。

でもフランクフルト編の話が進むにつれ、ハイジはクララのために自分はここにいなくてはならない、といった優しさと恋しいアルプスに帰りたいのを必死に我慢し、日々葛藤します。

そしてロッテンマイヤーさんに叱られ三昧の日々の中でも、クララのお父さんのゼーゼマン、おばあさまなどの触れ合いによってハイジは一時は山が恋しい気持ちを忘れることが出来ました。しかし、おばあさまが帰ってしまった後、ハイジはまた山へ帰りたい気持ちが段々強まっていきます。

クララは何とかハイジを説得します。「ダメよ、山へは帰っちゃダメ!私また1人ぽっちになってしまうわ!」このセリフでは何だかクララの自己中心的な所がうかがえます。ハイジにだって本来は帰る家があるのに…その上、ロッテンマイヤーさんの何とも心無い「あなたは山のことばかり言って、お嬢様のご病気を重くするのですか?」そして「以後山のことを話したり、思いだしたりしたら承知しませんよ。」まあ~、何とも大人都合の酷いセリフ!全然ハイジの気持ちを理解していません。

これをさかえにハイジの心はどんどん病んでいきます。自分が山のことを話せば、クララの病気が重くなる、帰りたいけど帰れない、などハイジも自暴自棄になり公では涙することも出来ず、ひたすら我慢していきます。

そしてとうとうハイジはアルプスの山への強い思いから、「夢遊病」になってしまいます。この夢遊病って一体何でしょうか?アニメではハイジは毎晩アルプスに帰った夢を見て小屋を戸を開いて、星空を見上げると話していました。

最初は白い幽霊が降りてきて、玄関の戸を開けるということで、屋敷中が騒いで、ゼーゼマンとお医者様が夜中に幽霊の正体をあばこうと夜中に見張りをし、丁度玄関に立っていたハイジを見て驚きます。でもお医者様は冷静にハイジに「何処へ行くつもりだったの?」と優しく聞きます。お医者様はハイジの話からすぐにこれは「夢遊病」と診断を下します。

そもそも夢遊病とは、脳は眠っているのに無意識のうちに体だけが動いてしまうと言われる、「睡眠障害」の1つと言われています。発症しやすいのは4歳~8歳の子供に多いと言われています。まさしくハイジも当てはまります。

夢遊病は元々遺伝性である可能性が高く、原作によるとハイジの母、アーデルバイドが父のトヴィアスが事故で急死した数日後に夫の後を追うようにして夢遊病で亡くなったエピソードがあります。

まさしくハイジは母の病気を受け継いだのでしょう。でも夢遊病は放置して置くととんでもないことが起こります。夜驚症と言って、夜中に恐怖感が原因で泣いたりわめいたりする重い睡眠障害に発展してしまいます。

ハイジの場合は山に帰りたい重度のホームシックが原因で、夢遊病になったのですから、完全に心の病です。でも山に帰ったことですぐに回復しました。

ハイジとおんじの食生活!朝昼晩とパンとチーズだけだったのか?

スイスのアルプスの山奥に住むハイジとおんじの食生活。アニメでは毎日朝昼晩とパンとチーズ、ヤギの乳が中心でした。我々日本人が3色白いご飯を食べるのと同じだったと言えるのではないでしょうか?

でもよく考えてみると?朝昼晩とただチーズ、パン、ヤギの乳の連続では普通飽きてくるのが人間ではないでしょうか?パンは本来小麦粉で作られ、チーズは乳製品です。ですがハイジのいるスイスではチーズはヤギの乳から作ることが多いですね。

おんじが大きな鍋にヤギの乳を大量に入れてかき混ぜて作るシーンは何度も見られました。スイスではチーズは大変貴重品で、長期保存する食品として扱われています。アニメでもそのシーンは何度も見ましたね。

ハイジとおんじが一緒にチーズを作っては倉庫にしまっている場面です。ほんの少しのワンシーンでしか見られませんでしたが、確かにあります。

でもパン、チーズ、ヤギの乳を主食としているハイジとおんじですが、あれで栄養に偏りが出るような気がしませんか?人間時には肉や魚、野菜も食べないと十分な栄養は取れません。

たまにハイジが干し肉を食べることがありましたが、あの干し肉とは一体何だったのでしょうか?実際のスイスの食生活では、やはり身近な家畜の牛やヤギの肉を食べる習慣があります。

でも家畜もスイスの家庭にとっては大切な存在です。そう処分するわけにもいきません。ですからスイスでは生肉を食べることは殆どなく、塩漬けで長期保存すると言われています。

ですからハイジが食べていたあの干し肉は、はっきりとは分かりませんが、牛かヤギの肉だったかもしれません。でもアニメの中のことですからいつもおいしそうに食べていましたけどね。只、干し肉を食べるときのハイジの行儀は決して良くはありませんでした。

ハイジの食べるパンにも注目です。いつも黒パンを食べていました。実はハイジの食べていた黒パンはライムギで作られたとのことで、若干かためのようでもあります。ですからペーターのおばあさんは「黒パンはどうも年寄りにはかたくてね。」と虚しそうに語るシーンがあります。そこで気づいたハイジがデーテにフランクフルトに連れて行かれる前に白パンのことを思いだします。ハイジの時代は白パンは高級品で、なかなか手に入らない代物だったと言えます。

白パンは裕福な家庭の食べ物の1つで、フランクフルトのクララのお屋敷では常に食卓に白パンが用意されていました。やはり貧しい家庭では白パンはご馳走兼高級品だったと言えます。

ハイジの人気の影響で、近くのスーパーでは一時期「ハイジの白パン」の名前で販売されていました。実際スイスで作られてる白パンとは違うでしょうが、何だか面白みがあり、よく買っては食べてました。(笑)

でもハイジとおんじはやはり毎日パンとチーズが主食で、あれでよく栄養が偏っていないな~と思う反面、野菜を食べるシーンがありませんでした。パンは炭水化物ですから、あまり食べすぎるとよくない説もあります。

しかしハイジの物語の時代は家畜を飼うことが生活を支えることで、生きて行くのが当たり前でしたから、アニメではなかった何か保存食を作ることで野菜類の足しになるものを作っていたかもしれません。

ハイジとおんじの食生活は決して豊かなものではありませんでしたが、でも長期保存できるように肉を加工したり、チーズをヤギの乳から作って倉庫に保存するのはやはり昔のスイスの人々の賢い知恵の結晶です。お金をかけなくてもちゃんと食生活は出来る!と教えられました。

アルプスの少女ハイジ!力たくましいアルムおんじって一体何歳?

ハイジの父方に当たるアルムおんじ。初登場時はとても怖い顔立ちをしていて、誰も寄せ付けないくらいの本当に変わり者の印象がありました。

でも孫のハイジが一緒に住むようになってからのアルムおんじの変わり様には何とも驚きを隠せませんでした。ハイジにとってはアルムおんじがデーテに次ぐ2番目の身うちでもあります。

デリフリ村では皆アルムおんじを「偏屈もの」「ひねくれ者」「変わり者」と常に噂していました。でも正直ハイジがアルムおんじの所へ来たのは5歳の時のことです。まだ小さい子どもですから、村人の心無い噂など理解できなくても当然のことといえます。

初対面のペーターともすぐに仲良しになったハイジでしたが、「私、山の上に行くのよ。おじいさんの所へ行くの。」とペーターに話します。ペーターもアルムおんじを怖がっていた1人ですから、ハイジの言葉に驚いて、「怖くないのか?」と聞きます。

でも何も知らない無邪気なハイジは「どうして?」とペーターに聞き返しますが、元々口下手の彼は「どうしてって…?まあ、いいや。」と説明しませんでした。

高い山の上に3本のモミの木の手前の山小屋でアルムおんじは、どっしりと1人暮らしをしていました。まさしくたくましい山の男といった感じです。体も老人の割にはがっちりしていて、高い山登り、危険な仕事など平気で何でもこなします。

しかし、白髪でひげをはやしているこのアルムおんじって一体何歳なんでしょうか?アニメの中では一切年齢など挙がったことがなく、子供時代は全然このアルムおんじの年齢など全然気にすることなくリアルタイムで見ていましたね。

最初からハイジの父方の祖父だということは知っていました。でも大人になってから見ると5歳のハイジからするとアルムおんじはかなりの高齢者?とも取れるような気がします。さて、その肝心のアルムおんじについての年令ですが、調査してみたところ、「70歳」だということが判明しました。

ええ?アルムおんじは70歳?皆さんは若い、それとも思ったより高齢ではないか?どちらの印象を受けましたか?

日本人の現代の70歳は結構若い方だと言われています。何せ高齢化社会が進んで100歳以上の高齢者がどんどん増えて行っていますから。

ですが、今の70歳の人にアルムおんじのような生活をしてみたら?と提案したらどうでしょうか?多分出来ないでしょうね。やはりアルムおんじのあのたくましさ、体力は若いころからの蓄積された力の賜物でしょう。

何せハイジやクララを片手で抱き上げるなど、とても70歳とは思えないくらいの腕力もあります。

若いときからアルムおんじは大工仕事が得意でした。ですから手先は実に器用で、木工細工など他に人にはないような才能を発揮します。ペーターの家の不具合を直したり、時には食器や家具、ハイジの積み木など何でも木で作るところは一切お金をかけていませんでした。

ですからハイジにとっては最も頼りにできる身内なのです。最早叔母のデーテよりもハイジはアルムおんじに信頼を寄せていましたね。

ハイジと暮らせるようになったお蔭で、アルムおんじは頑な心が解けて、最後には村人たちとの交流もするようになり、和解する運びとなりました。

でもアルムおんじが村から離れて、1人暮らしをしていた頃、密かにペーターのおばあさんやお母さんのブリギッテは「本当は優しい人」と見抜いていた様子でした。この2人だけは村人の噂は信じていることなく、ちゃんとアルムおんじの隠れた優しさの本質を見抜いていた、と言えます。