ネロのたった1人の肉親、ジェハンじいさん。ネロの母方の祖父に当たります。性格は温厚そのもので、律儀で人情溢れるその人柄は顔の表情にも出ています。それに孫のネロの絵の才能を認め、いつか画家になりたいというネロの夢を叶えてやりたいと本当にネロにとってよき理解者でもあります。

ネロが幼いときにジェハンじいさんは娘を亡くし、その後すぐに娘婿も亡くなり、両親を相次いで亡くしてしまった可愛そうなネロをジェハンじいさんは引き取って両親の代理となりました。

ネロの面倒を見る傍ら、ジェハンじいさんは村の人の親切な計らいで、牛乳運びの仕事を始めて生計を立てるようになりました。ですが収入はわずかなもので、やっとパンとスープが飲める程度の貧しい暮らしでした。でも例え貧しくても、両親を亡くしたネロのために、ジェハンじいさんは一生懸命、孫育て、仕事をこなしていきます。

でもジェハンじいさんって昔から牛乳運びの仕事をしていたわけでもありません。では若い頃ジェハンじいさんってどんな職業だったのか、気になりませんか?

アニメの中で足を怪我した森の木こりのミシェルが、風車職人のノエルじいさんに対してジェハンじいさんの昔やっていたことを話すワンシーンがあります。「あのじいさん、若い頃軍隊に入ってたらしくてな。それでネロには一人前の仕事をさせたいと気にしてて…でなきゃ牛乳運びの仕事なんぞする人じゃない」と語っています。

ジェハンじいさんは、若い頃ミシェルの話によると軍人だということが判明しています。あの優しい人情味あふれるジェハンじいさんが昔軍人だったなんて何だか信じられません。

ジェハンじいさんの軍人時代だったことを詳しく紐解いてみると、ナポレオン戦争(1803年~1815年)が背景として浮き彫りになっています。こういった詳細はアニメでは一切触れてはいませんが、ジェハンじいさんは戦闘で受けた傷が原因で足が不自由となり、まともには歩けなかったということです。これは原作の内容です。

アニメではジェハンじいさんは普通に歩くことは出来、荷車を引いてアントワープまで約5~6キロの距離を毎日休むことなく、ネロと一緒に往復していました。

それに原作では、ジェハンじいさんは軍人を辞めた後大した定職につくことが出来なかった為、村人の親切心を受けて、牛乳運びの仕事を受け持つ運びとなったのです。もうこの時には両親を亡くしたネロがいましたので、どうしても孫を育てるためには老いた体を無理してでも働かなくてはなりません。

アニメ、原作共に共通してるのはジェハンじいさんは元々体が弱いことです。アニメでは心臓が弱くて発作を起こして倒れるシーンが後半ではよく見られました。ネロの夢を叶えるために無理を徹して野菜売り場の仕事をし、パネルを買う賃金を稼いでいました。

やはり貧しいジェハンじいさんは毎月の食費や家賃を払うのが精いっぱいの生活でしたので、画材用具などの高級品は手が届かず、それでも孫可愛さゆえに一生懸命働いてパネルを買って最後には病気が悪化し、亡くなってしまいました。

原作ではリューマチを患って亡くなっている、とのことです。でもジェハンじいさんは軍隊時代、医者の免許を持っており、ミシェルの捻挫の手当てをしたり、庭では自家製の薬草を在倍するなどなかなか器用な所があります。

なかなかジェハンじいさんは頭のいい人だということがよくわかりました。軍人を離れてから仕事に恵まれなかったジェハンじいさんにしてみれば、ネロにはせめて定職につかせてやりたい!その思いは誰よりも強かったでしょう。