ペリーヌの母・マリは遺言として「人に愛されるにはまず自分が人を愛しなさい。」と娘に託し、パリで亡くなります。この母の遺言は何ともペリーヌに取って素晴らしいものでした。

自分の両親が祖父の反対を押し切って結婚していたこと、そして祖父は孫を歓迎してくれないことなど、ペリーヌはショックでした。でも残されたたった1人の身内の祖父にはどうしても愛されたい…ペリーヌはそう胸に秘めてついに長旅を終えて父の故郷マロクール村へ着きます。

ですがお屋敷の門前でペリーヌは馬車で出かける祖父の顔を初めてみます。何とも冷たい横顔で、ペリーヌは孫だと名乗る勇気をなくし、偽名オーレリィとして祖父の経営する工場で働きながら様子を見ることにしました。

本当に祖父のビルフランは冷たい人なのか?でもアニメの中では冷たいイメージながらも優しい面が少なからず見えています。

まず、ペリーヌの父・エドモンの乳母をやっていたフランソワーズと孫のロザリーにはビルフランは優しい態度で接しています。ロザリーの話では、自分が生まれた時に名前を付けてくれたのがビルフランだとペリーヌに話しています。それに「私には優しくしてくれるの!私がフランソワーズおばあちゃんの孫だからよ!」

それにロザリーが工場でけがをした時もビルフランは「早く病院へ行って手当てをしなさい。」と暖かい声をかけています。根っからの冷徹人間でもないことが分かります。

ですが息子・エドモンがビルフランの思い通りの結婚をしなかったため、ペリーヌの母・マリに対しては会ってもいないのに「息子をたぶらかした悪い女」と激しい憎しみを抱いており、そのことを聞いたペリーヌは激しいショックを受けてしまいます。

でもペリーヌはオーレリィとして、ビルフランの忠実な秘書として仕事をこなしていきます。またビルフランも孫だと知らないまま、オーレリィとして確実に彼女に信頼を深くしていきます。徐々に優しい人へと変化をしていきます。

それはペリーヌが母の遺言を忘れずに「私はおじいさまから愛されたい、一番欲しいのはおじいさまの心からの愛情」と自分に言い聞かせ、孫だと名乗れない辛さがあっても、愛情もってビルフランと接していったからです。

オーレリィはビルフランに心からの愛情を注ぎ、またこの老紳士も愛することをどんどん知っていくようになります。

仕事に関しては厳しいビルフランですが、ペリーヌの意見によりどんどん工場経営や村の人達の暮らしぶりに次第に興味を持ち始め、どうしたら今よりもっと経営がうまくいくのか、そして村人達の暮らしを豊かにさせることなど考えるようになりました。

よく考えてみますとビルフランは大金持ちであっても、実は孤独な老紳士の1人にしか過ぎないのです。妻や息子には先立たれ、甥のテオドールや工場長のタルエルはどうも信用できないなど、いささか人を信じることに関しては慎重になっている模様です。

自分の思い通りにならないものは「裏切者!」と罵声を浴びせる怖いところもありますが、寂しくて孤独だからこそ人間は偏屈になることがあるのです…! つまり人生の先行きに強い不安を感じると優しさを忘れてしまいがちになります。

人間はお互いに愛されていることが確信されるともの凄く信頼出来る関係へと発展します。

ですからペリーヌの出現により、ビルフランは今までは冷たかった面があったにせよ、彼女の愛情のお蔭で変わることが出来たのです。人間はまず愛することを覚えなくてはなりません。まさしくペリーヌの母・マリの遺言は世界名作劇場での名セリフと言えます。